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大国主命の試練のことを語る
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大国主命の試練のことを語る

   大国主命の試練 18

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のつづきです。

そんなある日。
因幡の八上媛が、大国主命をしたって、はるばる訪ねてきました。

八上媛は、何か月かして、大国主命のこどもを生みました。
しかし、大国主命には、すでに須勢理媛という正妻がいたので、
八上媛はそのこどもを木のまたにはさみ、因幡へ帰って行きました。

大国主命は、四方をだんだんに平らげ、国を大きくしていきました。

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   大国主命の試練 17

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のつづきです。

みことは、その坂の上から、大国主命にむかって大声でさけびました。
「おーい、小僧っ。わしの太刀と弓矢を使って、そちの兄弟の八十神たちをたおせ。
そして、国の神の頭になり、宇迦山に立派な宮殿を建てろ。
わしのだいじな娘は、おまえの嫁にくれてやるぞ。わかったか」と。

大国主命は、みことのいうとおりに、いただいた太刀と弓矢を持って、
八十神たちをうちにいきました。
八十神たちが逃げ回るのを追っかけ、すべての兄弟を滅ぼしました。

大国主命は、国の神の頭になり、宇迦山に立派な宮殿を建て、須勢理媛と二人で暮らしました。

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   大国主命の試練 16

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のつづきです。

髪の毛がたる木にしばりつけてあったので、大力のみことが立ちあがると、
その部屋は「めりめりっ」と大きな音をたてつぶれてしまいました。

「おのれ、小僧めっ」
みことはひどく怒り、髪の毛を一束ずつといていきます。
その間に、大国主命は須勢理媛を背負って、どんどん逃げました。

しばらくすると、みことが黄泉比良坂まで追いかけてきました。
この坂は、黄泉の国と地上との境にある坂。
昔、イザナギノミコトが黄泉の国から逃げだし、イザナミノミコトとののしりあった坂でした。

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   大国主命の試練 15

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のつづきです。

大国主命は、みことの太刀と弓矢・玉のついた天の詔琴をかかえ、
須勢理媛を背負って、やしきを逃げだしました。

太刀と弓矢は、蘇生の特殊能力をもっている神の武具。
天の詔琴は、権威ある命令を出す時に奏でる神器でした。
 
ところが、抱えていた琴が、木の幹にぶつかり、「じゃらじゃらじゃらーん」と、
大きな音をたて鳴りだしました。
みことは、その音で目をさましました。

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   大国主命の試練 14

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のつづきです。

それをみたみことは、
「ほほう、むかでを一匹ずつかみつぶしているのだな。かわいいやつじゃ」と思いました。
みことはすっかり安心して、大きないびきをかき寝てしまいました。

大国主命は、ぐずぐずしていると、この先どんなひどいめにあうかわからないと思いました。
みことの長い髪をいく束にも分け、四方のたる木へしっかりしばりつけました。

その後、五百人でも動かすことができない大きな岩を戸口に立てかけ、
中からでられないようにしました。

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   大国主命の試練 13

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のつづきです。

大国主命が、みことの長い髪をかきわけると、しらみではなくたくさんのむかでがたかっています。
困ったなと思っていると、須勢理媛がそばへ来て、椋の実と赤土をわたしてくれました。

「これでどうするの」
大国主命は、須勢理媛に目でたずねました。
すると、身ぶり手ぶりで「こうするのよ」と教えてくれました。

大国主命は、椋の実を一粒ずつかみくだき、赤土を少しずつとかして、
「ぺっ、ぺっ」とはきだしました。

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   大国主命の試練 12

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のつづきです。

すると。
大国主命が、元気な姿で、焼けあとの中から出てきました。
そして、みことに矢を渡しました。
みことは、大国主命が無事だったことを知り、驚きました。

みことは、大国主命とともに、やしきへ帰りました。
そして、大国主命を大きな広間につれていきました。
みことは「疲れた」といって、広間でごろんと横になりました。
「おーい、頭のしらみをとってくれ」

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   大国主命の試練 11

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のつづきです。

大国主命がほっとしていると、さっきのねずみが、口に矢をくわえ持ってきました。
矢の羽の部分は、子ねずみたちがかじってなくなっていましたが、本体だけは無傷でした。

須勢理媛は、大国主命が焼け死んでしまったと思い、嘆き悲しみました。
野原の火が消えると、とむらいの道具を持って、大国主命のなきがらを探して歩きました。

みことも、「今度こそ死んだだろう」と思い、須勢理媛の後からついていきました。

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   大国主命の試練 10

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のつづきです。

大国主命がとほうにくれていると、ねずみがとびだしてきました。
「うちはほらほら、外はすぶすぶ」
ねずみはそういいました。
「中はがらんどうで、外はすぼまっていますよ」と、伝えたかったのでしょうか。

大国主命が、足元をどんとふむと、下は大きな穴になっていました。
穴の中へ入り、身をかがめ隠れていると、近くまで燃えてきた火が穴の上を通り、
向こうへ遠のいていきました。

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   大国主命の試練 9

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のつづきです。

その矢は、矢の先にかぶら状のふくらみがあり、中が空洞になっていました。
矢を射ると、びっくりするような大きな音がします。

「今飛んでいった矢を拾ってこい」
みことは、大声で大国主命に命じました。

大国主命は、背丈ほどある草をかき分け、矢をさがしました。
でも、矢はみつかりません。

みことは、大国主命を焼き殺そうと、野原のまわりへ火をつけました。
四方から火があがり、あっという間に、大国主命は逃げ場を失ってしまいました。

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   大国主命の試練 8

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のつづきです。

大国主命は、その夜も、そのきれでむかでや蜂を追いはらい、ぐっすり眠ることができました。
須勢理媛のおかげでした。

二度の試練を無事にきりぬけた大国主命をみて、みことは「しぶといやつじゃ。
よし、今度こそみておれ」と、次の計画を立てました。

みことは、草がぼうぼう茂っている広い野原へ、大国主命をつれていきました。
みことは、かぶら矢をかまえると、「えいっ」と矢を射ました。

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   大国主命の試練 7

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のつづきです。

次の朝。
さっそうとあらわれた大国主命をみて、みことは「なぜ生きているのじゃ」と、つぶやきました。
 
その夜。
みことは、むかでと蜂がいっぱい入っている室へ、大国主命をつれていきました。
「今夜は、ここで寝るがいい」 
それを聞いた須勢理媛は、みことにみつからないように、
別の首飾りのきれを、大国主命に渡しました。
「このきれを、三度ふってね」と。

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   大国主命の試練 6

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のつづきです。

須勢理媛がでていくと、たくさんの蛇がかま首をもたげ、いっせいに大国主命にむかってきました。
蛇が嫌いな大国主命は、気絶しそうでした。
夢中で、きれを三度ふりました。

すると、蛇たちは急におとなしくなり、部屋のすみへひきさがっていきました。
その後、蛇たちは、二度と大国主命にむかってくることはありませんでした。

須勢理媛のおかげで、大国主命は朝までぐっすり眠ることができました。

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   大国主命の試練 5

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のつづきです。

「今夜は、ここで寝るがいい」
「えっ、ここで・・・」
「そうじゃ」
みことは、はきすてるようにいうと、さっさと室をでていってしまいました。

心のやさしい須勢理媛は、大国主命を気の毒に思い、
比札といって肩かけのようなきれをそっと渡しました。

「もし蛇が近づいてきたら、このきれを三度ふって、蛇をおいかえしなさい」
そういうと、須勢理媛は、室をでていきました。

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   大国主命の試練 4

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のつづきです。

「気にいらん」
みことは、小声でつぶやきました。
「こんな男に、だいじな娘をとられてたまるか」という気持が強かったのです。
みことは、大国主命が娘の婿としてふさわしいかどうか、いろいろ試してみようと思いました。

その夜。
みことは、大国主命を蛇の室へつれていきました。
室の中には、大小の蛇がうじゃうじゃいます。

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   大国主命の試練 3

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のつづきです。

「大国主命でございます」
「おまえが、大国主命か。母は元気かな」
「はい」
「おまえに会うのは、初めてじゃのう」

すると、須勢理媛が「お父さま。このかたのこと、ずっと前から知っているような気がするの」と、
はずかしそうにいいました。
みことは娘のことばを聞き、「この青年が気にいったのだな」と思いました。

でも・・・みことは、大国主命をみているうちに、だんだん腹がたってきました。

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   大国主命の試練 2

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のつづきです。

二人とも初めて会ったのに、いつかどこかで会ったことがあるような、とてもなつかしい気がしたのです。

「お父さま。玄関に、美しい青年が訪ねてきています」
須勢理媛は、父の須佐之男命に伝えました。

「何、美しい青年だと」
みことは玄関へ行き、大国主命をじろりと観察しました。
玄関に立っていたのは、美しい青年でした。

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    大国主命の試練 1

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のつづきです。

大国主命は、おかあさんのすすめで、地底の国・根堅国に住んでいる須佐之男命を訪ねました。

「須佐之男命さまのお宅でしょうか」
「はい、そうですが」
出てきたのは、須佐之男命の娘・須勢理媛でした。

「なんてかわいい人だろう」
「あら、すてきなかた」
お互いに一目ぼれ。