吉野朔実「ALL IN ONE 吉野朔実は本が好き」。
これに収録されている、本の雑誌で連載していたシリーズの文庫&単行本は全部持っていた、というのもあって、ゆっくり読んでいたのだ。ものすごく分厚いから持ち歩きもできなかったし。ほぼ漫画だけど。索引抜きで640ページもあります。
好きだったシリーズに、3万円の図書カードで買い放題、とかコラムとか執筆者近況、とかを入れたものなので、手元に置いておきたかった。一冊で読むと、時の流れや街の変化もわかりやすい仕様になっています。
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吉野朔実「ALL IN ONE 吉野朔実は本が好き」。
これに収録されている、本の雑誌で連載していたシリーズの文庫&単行本は全部持っていた、というのもあって、ゆっくり読んでいたのだ。ものすごく分厚いから持ち歩きもできなかったし。ほぼ漫画だけど。索引抜きで640ページもあります。
好きだったシリーズに、3万円の図書カードで買い放題、とかコラムとか執筆者近況、とかを入れたものなので、手元に置いておきたかった。一冊で読むと、時の流れや街の変化もわかりやすい仕様になっています。
「荒野の胃袋」井上荒野
いくつか美味しそうなレシピがあって、ブリかぶらは今年試してみたいですね…
「あれの」というペンネームだと思うので、「あれののいぶくろ」だとおもうのだけど「こうやのいぶくろ」とよんでもいいのかな。ハードボイルドな食欲の本で楽しかったです。
くがつ。せぷてんばー。
「じっと手を見る」窪美澄
「迷子の星座たち」坂崎千春
「りこんのこども」紫原明子
「わたしにふさわしいホテル」柚木麻子
「荒野の胃袋」井上荒野
「『女子』という呪い」雨宮処凛
「女性アスリートは何を乗り越えてきたのか」中公新書ラクレ
読売新聞で連載されていた(らしい)「女性とスポーツ」の特集をまとめたもの。
女性特有の病気や妊娠、出産についてはもちろん、それらのサポート体制や今後のあり方など
日本のみならず世界のアスリートを例にあげながら取材し、まとめられたもの。
1人の女性として興味深い話題が多かったし、知らない事も多かった。
また、単純に競技に必要な減量や練習による健康被害を問題にするのではなく
女性だから出来る事や女性だから伸ばせる能力にもページは割かれており、ファンとして支援のあり方を考える切っ…[全文を見る]
島本理生 『よだかの片思い』
ぐぅ……名作。
「顔に痣のある女の子が、諦めていた恋愛をする話」は「容姿コンプレックスと恋愛」という女子にとっての「あるある小説」になりうると思うが、読み終わってみると、絶望してても生きていかなきゃなんないんだ、と踏ん張って踏み出して結果成長していく女の子の話だった。
主人公を産んだ人、育てた人、育む人の描き方がとても丁寧。だから主人公は「自信はない」が卑屈ではない。「理想を持っていいとは思えないけれど信念はある」という主人公は、恋愛して「理想を持ちたい」と願う。そして願ったが故に、成長していく。良かった。いい話だった。
赤木かん子の「この本読んだ?覚えてる?」
子供の頃読んだあの本を探して欲しい、と言うような依頼を受けて本を探す、と言う「本の探偵」赤木かん子が、依頼を受けた本を紹介している本。
知ってる本にも知らない本にも出会えるのが、楽しい。
ついでに、今読んでるのはこっち。
こっちは、かんこ節炸裂、と言うか、結構毒も入っててこれはこれで好き嫌いが別れそう。とくに、日本の児童文学、に対しては結構きついこといってます。
子供の頃、本で読んだ憧れの食べ物、というテーマだと、時代や状況によっては「日本の児童文学」が挙がりにくいのはわかるんだけど、…[全文を見る]
「これでよろしくて?」川上弘美
西加奈子 「炎上する君」
久しぶりに、本よんでドキドキした。
……読了?
本屋でパラパラーッとめくって、ちょっと素敵なレシピ集だな(装丁が)と思ったんだけど、でもマクロビだしな、と思っておいてきたんですよ。
家に帰ってamazonのレビュー読んだら、そこに書かれていた著者の言葉に気持ちを撃抜かれて買ってきました。
曰く
「食べた時の喜びがなければ、お菓子じゃない!」
[おこあえ]
アレルギーや、実際食べられない、と言う事に心を悩ませている人には申し訳ないけれど、私はやはり、代用品、と言う考え方が好きじゃないのです。
もちろん、食べられない理由があればそういう風にして楽しみを追求する、と言うのはとても…[全文を見る]
前作は事故直後の警戒区域内を映したものであったが、今作「待ち続ける動物たち」は2011年7月〜年明けまでの、警戒区域内の動物達を捕らえた写真集。生きている動物も映っているが、死体、それもミイラ化したものや食べ尽された後のもの、前足だけ、と言うような写真も多い。生きている動物は、ボランティアによる定期的な餌やり等の尽力によるもの。こんなことがもう、一年も続けられている。生きている事が奇跡、という状況でその生を希望だと言えるようにするのは、私たち人間の役目じゃないのか、と考えさせられる。巻末の20キロ圏内の状況、行政の動き、私たちが出来る具体的ないくつかの事、は必読。
しかし、色々な取り決めだけを読むにつけ思うのは、行政は「いっそ死んでくれた方が諦めがつく」という方向で決着をつけようとしてるのかなあ、って事。
「おいで、一緒に行こう―福島原発20キロ圏内のペットレスキュー」
警戒区域に残された動物保護ボランティアを取材したルポ。保護の動機を母性に結びつけるのは安易ではないか、と気になるが、その筆致は悲惨な現状を訴える、と言うより、そこで起こる事を記録し感想を述べる、という感じなので、その辺りも著者の「感想」だろう。
保護に対する各自の説明できない迷いを、説明できないままに描かれているのが良かった。答えが出されていても、その迷いが見て取れた。
行政とボランティアがなぜ対立してしまうのか、行政は何故、ボランティアの保護を禁止するのか、その辺り、ちゃんと調べたい。
一緒に読みたい物として、下もおすすめ。
『なのはな』
「プルート夫人」や「雨の夜ーウラノス伯爵ー」は、萩尾望都にしては直接的で、萩尾望都らしい巧さはないと思う。ないんだけど、ないからこそ「とにかく伝えなきゃ」と描いたようにも思える。
特に、最後に入っている「なのはなー幻想『銀河鉄道の夜』」は、さすが萩尾望都って感じ。
この書き下ろしが入らなければ、ただひたすら原発を批判する本、になっていただろうにこの一本が入っているから、読める。(もちろん、ただひたすら原発を批判する本、でもいいんだけど、これ一本はいってるだけで、この本が持つ主張がぐっと受け入れやすくなる)
萩尾望都「なのはな」
「チェルノブイリの汚染された土地には誰も住めません」
というモノローグに、「『高濃度汚染を受けた土地』の意ですが、イメージ内のリフレインとしての表現とご理解ください」という注釈がついていた。
その事が、ぐっと哀しく、辛い気持ちにさせる。
哀しい気持ちになったのは「表現に利用した言質を取って、大騒ぎする人たちがいるから」だとか、「表現」に対してのことじゃないよ。もちろん。
そういう注釈を入れなければならないほどの現実が起こったんだ、ということが、やりきれないと思ったのだ。
鈴木みそ「僕と日本が震えた日」
webで連載しているときから読んでいて、ずっと待っていた単行本。
連載中も何度か「よくこれ(この言葉)書いたなあ」と思う事があって
ものすごく近い震災ルポだと思う。
恐怖に対しては知って、対抗するのも手だ。知らないから怖いってこと、いっぱいあるし。
いつだってどこにだって、恐怖の芽は、あるんだし。
伊藤理佐「お母さんの扉」
声を出して笑っているうちに、号泣してた。
泣ける話とか、一個もありませんでしたが。
オレンジページに育児エッセイを書く、事に対する照れなのか、
それとも、仕事再開して、うっぷんを晴らすようにそうなったのか
伊藤理佐の下ネタが、堰を切ったように溢れ出しておりました。
「69億のクリスマス」三谷知子
http://p.tl/xfMO
ジャケ買いしてあたりだったよ。
私がクリスマス好き、と言うのもあるけれど。
坂田靖子が好きな人は好きかも。
小林光恵著「限りなくキョウダイに近いフウフ」
出会いから恋愛次期を経て、兄妹のように近しくなってしまった夫婦がその実態通り兄妹になろうとする話。
それぞれの葛藤とその行動によって立つ波風。
私が、やたらと二人の前に現れて助言(と言う名の余計なお世話)や苦言(と言う名の言いがかり)をしていく周囲の人間にイライラしてしまったのは、その助言&苦言が八つ当たりとしか思えなかった、と言うのが1つ。
それとやっぱり、個人的な関係を他人がわかったつもりになって何か言うことは出来ない、と言う思いがあるから。
元々「結婚=幸せ」「結婚はするべきも…[全文を見る]