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読了のことを語る

島本理生 『よだかの片思い』

ぐぅ……名作。

「顔に痣のある女の子が、諦めていた恋愛をする話」は「容姿コンプレックスと恋愛」という女子にとっての「あるある小説」になりうると思うが、読み終わってみると、絶望してても生きていかなきゃなんないんだ、と踏ん張って踏み出して結果成長していく女の子の話だった。

主人公を産んだ人、育てた人、育む人の描き方がとても丁寧。だから主人公は「自信はない」が卑屈ではない。「理想を持っていいとは思えないけれど信念はある」という主人公は、恋愛して「理想を持ちたい」と願う。そして願ったが故に、成長していく。良かった。いい話だった。