小林光恵著「限りなくキョウダイに近いフウフ」
出会いから恋愛次期を経て、兄妹のように近しくなってしまった夫婦がその実態通り兄妹になろうとする話。
それぞれの葛藤とその行動によって立つ波風。
私が、やたらと二人の前に現れて助言(と言う名の余計なお世話)や苦言(と言う名の言いがかり)をしていく周囲の人間にイライラしてしまったのは、その助言&苦言が八つ当たりとしか思えなかった、と言うのが1つ。
それとやっぱり、個人的な関係を他人がわかったつもりになって何か言うことは出来ない、と言う思いがあるから。
元々「結婚=幸せ」「結婚はするべきもの」という語り口調も「結婚は人生の墓場だ」と言うのも好きではないのだけど、まあ、それらは世間の社交辞令だから仕方がないとして、時々、その社交辞令を本気なのかリップサービスなのか、相手の結婚生活に当てはめて「あなたもそうでしょう?」と語られることがあり、それがとっても嫌なんだけども、この本の、周囲のやんややんやはそれを思い出してしまい、とても、とてもイライラしたのだ。
親子関係、家族、夫婦、恋愛関係。全てにおいて、当事者にしかわからないことがあり、それはもう、どうしようもない。
葛藤も、幸せも、不幸も、関係は一筋縄じゃないかないし、私は、この夫婦の結論と行動が間違ってるのか正しいのか、幸せなのか不幸なのか全く判断が付かない。正しいけど不幸、って事もある気がするし、楽しくないけど幸せ、と言うこともある気がしている。