『時代がつくる「狂気」 精神医療と社会』 芹沢一也(編著) 朝日新聞社
このあいだ読んだ『精神病院の起源』に関連して、数年前に読んだ本の再読。前回よりもはるかにわかりやすくなっていた。
「異常」は誰が決めるのか、治療はなんのために必要か、治るとはどういうことか、等を、複数の学者がそれぞれの専門から、歴史をおいつつ論じているもの。
孤立して起きる現象なんて存在しない、とはっきり教えてくれる本。
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『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦
・タイトルがカタカナだぞ。
・文章も印象も今までのと少し違うぞ。
・最後はやっぱいいぞ…。
あとはネタバレになるのでなし。あえていうなら「また、◯っぱいか!」
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『鬼平犯科帳(一)』池波正太郎
一、二日前に読み終わった『精神病院の起源』に、長谷川平蔵と人足寄場のことがちょろっと載っていて「まさかの鬼平登場」とウケていたら、本書の最後の話で、人足寄場ができるに至った経緯が詳しく書かれていた。
なんたるシンクロ(笑)
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『四十九日のレシピ』 伊吹有喜
・ぽて太さん、ありがとうございました(*'ω'*)
・結構キツいテーマに心が痛むところもありますが、肌触りが柔らかいです。
・世田谷の義母と、夫の犬が私の一番のツボでした。
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マルグリット・ユルスナール・多田智満子訳『東方綺譚』 (白水社)
パスカル・キニャールの『音楽のレッスン』を読んだときにこれを思い出し(高雅な文体で中国の師弟のことを書くっていう共通項?)、さらにはアルトー『 ヘリオバガルスまたは戴冠せるアナーキスト』でもユルスナールの影がちらつき、積読本が山ほどあるのにどうしても読み返したくなってしまったという(笑)。
わたし、こういうの読んでると幸せで、キモチイイんだよなあ。
ただ、二十歳のころ読んだときにさほどでもなかった文章(部分)にぐっときたり、記憶と読後感が違ってたりして面白かった。これは、『ハドリアヌス帝の回想』を読み直すのが愉しみです。
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『精神病院の起源』 小俣和一郎(著) 太田出版
明治維新によって近代西欧精神医学にとって変わられるまでの、日本における精神病院的施設史。
かなりおもしろかった。江戸時代にはもうかなりのケース観察が見られ、対応が考えられている。明治維新でまっさらになってしまったのがよかったのかどうか(そのあとドイツ医学採用してナチス時代の欠落・空白の影響かなり受けてるしね)。
かなり幅広い視野で書かれているので、いろいろ精神病院史以外の点でも興味深かった。
『累犯障害者』等とも関連して読める、ほんとにおもしろくかつ読みやすい本。
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「ぼくの美しい人だから」
背表紙のタイトルだけで作者も表紙もあらすじも読まずに図書館で借りた。
「かつてこれほどそそられないラブシーンがあっただろうか」「誰得?!」「これはジャンルはなに?」
と首をひねりながら読んだけれど、徐々に引きこまれて最後まで読んでしまった。
ちょっとムイシュキン公爵とアグラーヤの生まれ変わりみたいだと思った。
これまで読んだラブストーリーでいちばんいいお話だった。片岡義男の解説も秀逸。
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THE MYSTERY OF THE BLUE TRAIN by Agatha Christie
セント・メアリー・ミードから始まるポワロもの。すごく若いミス・マープルと引退したポワロが共演しているような物語だった。
ラストのレノックスとの会話がいい。昔、ジーアとも、こんな会話をしたのかもしれない。
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『バイバイ、ブラックバード』 伊坂 幸太郎
・50名の人のためだけに書かれた郵便小説だそうです。
・会話や登場人物が魅力的。
・さらっとしているけど、心にしんとなるモノのある作品。
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『愛その他の悪霊について』 G・ガルシア=マルケス(著) 旦敬介(訳) 新潮社
この本も世が世なら、禁書の棚に封じ込められてしまうのだろう。
愛は人を救わない。正確には、愛「だけ」では救われることも救うこともできない。
無垢なる知識人は、自分の根底を揺り動かすものに出会ったとき、相手に名づける。「悪霊」あるいは「奇跡」と。それ(その判断の基礎)があなたの中にある、あったものだとはけして気づかない。気づきたくもない。
無垢であり続けようとすること・させることは、他人に泥を塗ることだ。
愛することを悪霊のしわざにするか否かは、他人ではなく自分にかかっている。
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「虐殺器官」伊藤計劃
・人物や背景、世界がそれぞれバランスを欠いていて、読んでいて常に異物感があるかんじ(いい意味でです)
・一方、作戦遂行シーンは恐ろしくテンポがいい。のに、やっぱり常に落ち着かない切迫したかんじがある。
・作者のことを考えると、若い読者に「かっこいい!」で読み終えてほしくないなぁと切に思いました。
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ウンベルト・エーコ『バウドリーノ』(岩波書店)
うおおおおおおおおっ!
これは、ものすごく、ものすごーーーーく、よいおはなしだ!!
エーコ先生、サイコーです。うん。
物語作家の面目躍如。カッコイイ!
盟友カルヴィーノ(様)へのオマージュなり返答なりを感じた。そこもまた、わたしのこころを揺さぶってくれてたまらない。
あと、12世紀ルネサンス好きにはたまらん仕掛けが山ほどある。
バルトルシャイティス好きは即読むべし!
それから、作家はやっぱり故郷のこと、じぶんのことを書くべきだよね。ていうのも思った。キシュがその家族の三部作を書いたよう…[全文を見る]
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POIROT'S EARLY CASES
テレビシリーズで見た覚えのあるものがほとんどだったので、相違点など確認しつつ、案外早く読み終えた。
Wasps Nestとかかっこよくて痺れる。
ポワロやミス・マープルの正義は「たとえ同情すべき点はあっても冤罪は出さない、許さない」なんだと思う。つかまるのが真犯人でないかぎり、誰も救われない。加害者も被害者もその周辺の人々も。そういうところに惹かれる。
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『七十五羽の烏』 都筑道夫(著) 光文社文庫
超久しぶりの都筑道夫。ものぐさ探偵コンビ。物部氏だけでなく片岡氏もけっこうものぐさと思うよ。だってこの提案は(笑)
あーまた『退職刑事』シリーズ読みたくなった。
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『差別と日本人』 野中広務・辛淑玉(著) 角川書店
まーいろんなノイズがあるかもだけど、とりあえず一度は目を通す価値あり。
野中氏は、もしフィンケルシュタインが政治家になったら、みたいな感じだ。
あと、辛氏にはぜひ、本書内に出てきた石原差別言動集をなんらかの形で出版していただきたい(おまけで麻生のも)。
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『地下室の手記』ドストエフスキー(著) 江川卓(訳) 新潮文庫
なんでだろう、後半に入ってから、『ライ麦畑でつかまえて』を思い出したのだった。わたしには、同じような人間に見えたのかもしれない、彼と。
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『謎解きはディナーのあとで』東川 篤哉
・「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」のCMが流れた途端、母が噴いたので買ってさしあげました。
・母の感想は「動機が最後にちょこっと出てくるのよ!わかるわけないじゃない!(`д´)キィィ!」でしたが、被害者の人間性や人生、加害者の人間関係などを描いたものではなく、クイズ或いはパズル的な作品でした。動機が最後でも問題はございません。
・母によると「出てくる人がみんな変なの!あの執事むかつく!(`д´)キィィ!」とのことです。作者の思うつぼかと存じます。お嬢様。
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『精神医学とナチズム 裁かれるユング、ハイデガー』 小俣和一郎 講談社現代親書
抜けてた部分を補足してくれる内容。
『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画』は、障害者(著者自身が障害者)から見た歴史だったが、こちらは精神科医が著者。ナチズム期のユダヤ人分析医大量追放により、ドイツ精神医学は治療という観点が一時的とはいえ失われた。日本精神医学がドイツ精神医学に大きく影響され続けてきたことを考えるとため息。
同著者の『ナチスもう一つの大罪 「安楽死」とドイツ精神医学』も近々読みたい(なんか同居人がすでに読んでそうな気もする)。
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『ハーモニー』伊藤計劃
・なるほどー。
・若くして亡くなっているとのこと、とても残念です。他の作品も続けて読んでみます。
・アニメ映画向き。映画化不可能っていう作品を書いてほしかったなぁ。
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『病むことは力』金井 省蒼
野口整体関係の本はなんともいえず実感に訴えかけるんだよねぇ。
野口整体、体験したいような、怖いような。
/読了