『愛その他の悪霊について』 G・ガルシア=マルケス(著) 旦敬介(訳) 新潮社
この本も世が世なら、禁書の棚に封じ込められてしまうのだろう。
愛は人を救わない。正確には、愛「だけ」では救われることも救うこともできない。
無垢なる知識人は、自分の根底を揺り動かすものに出会ったとき、相手に名づける。「悪霊」あるいは「奇跡」と。それ(その判断の基礎)があなたの中にある、あったものだとはけして気づかない。気づきたくもない。
無垢であり続けようとすること・させることは、他人に泥を塗ることだ。
愛することを悪霊のしわざにするか否かは、他人ではなく自分にかかっている。
本読了のことを語る
