ウンベルト・エーコ『バウドリーノ』(岩波書店)
うおおおおおおおおっ!
これは、ものすごく、ものすごーーーーく、よいおはなしだ!!
エーコ先生、サイコーです。うん。
物語作家の面目躍如。カッコイイ!
盟友カルヴィーノ(様)へのオマージュなり返答なりを感じた。そこもまた、わたしのこころを揺さぶってくれてたまらない。
あと、12世紀ルネサンス好きにはたまらん仕掛けが山ほどある。
バルトルシャイティス好きは即読むべし!
それから、作家はやっぱり故郷のこと、じぶんのことを書くべきだよね。ていうのも思った。キシュがその家族の三部作を書いたように、ピンチョンがアメリカを見渡すように、レイフェルおじさんがこっそりその町の名を記すように、キニャールが二度にわたり自伝を書いたように。
四作目、か。『前日島』は未読だけど、わたしは『薔薇の名前』よりこれのほうが好き。誰がどう見ても、エーコ先生自身が楽しんで書いてる。『フーコーの振り子』と比べると、わたしはアッチのいかにもな騙りっぷりに軍配をあげるけど、たぶん、コレのほうが多くのひとに愛されるはず。
小ネタのセンスの良さも素敵だし、いやもう、ほんっとに愉しませていただきました。ご馳走様です!
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