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日常のことを語る

高校生の頃、ヒッチハイクで日本縦断をしている中で、偶然にも倉本聰氏が主催する「富良野塾」の公演を現地で観たことがある。大人になってから「なんで若い頃の自分は舞台演劇の世界に身を投じなかったのか」と後悔することがあったけど、倉本氏の訃報を聞いて、「圧倒的に怖かったからだ」と思い出した。というのは、当時、倉本氏が主宰していた富良野塾は脚本家や役者を目指す若者が2年間農業をしながら、演劇を学ぶ場だったんだけど、多くの人がボロボロになっていたからだ。それだけでなく、若い自分にとって、倉本氏の作品は人間の弱さや情けなさ、日本社会で生きることの苦労、惨めさを直に突きつけてくるものだったからだ。しかし、それは実際の人生よりもはるかに優しく、だからこそ人生は豊かで温かく素晴らしいものなのだと気づくまでには本当に長い時間がかかった。というわけで、ご冥福をお祈りしたい。

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日常のことを語る

ふとしたきっかけでイタリア・ネオリアリズモの巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督とフェデリコ・フェリーニ監督の関係について調べたら、フェリーニがロッセリーニの代表作『無防備都市』の脚本を書いていたことを知って驚いた。かつフェリーニは『青春群像』というデビュー作で若きイタリア・ネオリアリズモの継承者という評判も得ていて驚いた。フェリーニの『道』という作品はずっと1930年代のものだと思っていた。だから『カサブランカ』や『マルタの鷹』(1940年代前半)より新しく、『無防備都市』より新しい(1945年)、1954年公開の作品であることにとても驚いたのだった。

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日常のことを語る

ふと昭和の終わり頃までは「悪いことをすると、サーカスの人に連れて行かれるよ!」という謎の言葉があったことを思い出した。ぼくの場合は「バイキングのお店で頼んだものを全部食べきれないと、サーカスの人に連れられていくよ」という使い方だったのだけど、この警句と食に関する道徳が同時に存在した稀な時代だったのだ。で、サーカスというと、フェデリコ・フェリーニの『道』という映画を思い出すんだけど、これはまさに白痴の女の子・ジェルソミーナが旅芸人ザンパノに買われ連れられていった映画だった。そして、19世紀までのヨーロッパではどこからともなくやってくるロマの人たちが「子どもを連れていく」ことが現実的な感覚としてあったので、20世紀後半の日本まで謎の恐怖感を与えていたんだなと調べて分かって納得した。

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名古屋メシの代表である味噌カツには、ジャブジャブに味噌ダレをかけるしっとりタイプと、甘辛い赤味噌ダレが少しかかったサクサクタイプがある。で、有名な矢場とんは前者のお店の代表格だけど、「つけてみそかけてみそ」文化で育ったぼくは後者のほうが好きである。

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令和になってから、マクドだけでなく、モスやコメダ珈琲まで月見バーガーを販売していることを知って、衝撃を受けた。個人的にコメダ珈琲のバーガー類は見た目はでっかいけど、なぜかペロっと軽く食べてしまえるところが昔から不思議で、ぜひ月見バーガーも試してみたいと思ったのだった。

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アメリカ料理の中でもフランス系の人が多く住む南ルイジアナの「ケイジャン料理」は一番美味しそうだなと何となく思っていた。代表的なものはジャンバラヤとかガンボスープとかである。で、この料理のベースが玉ねぎとセロリとピーマンのみじん切りを炒めたもので、フランス料理のベースの一つ「ミルポワ」とほぼ変わらないことを今日知った。「ミルポワ」は玉ねぎ・セロリ・ニンジンのみじん切りを炒めたもので、魚を入れても、肉とトマトを入れても、何でもフランスっぽい味にしてくれる魔法の調味料である。で、地方に住んでいると「ガンボスープを食べてみたい」と思っても、なかなか食べられないんだけど、「自ら作ってしまう」という手もあるなと思ったのだった。

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日常のことを語る

すこし前に1000m級の山を登った時に、そこから見える山々が途方もなく長い時間の中で産み出されたものであることに気づかされた。その途方もなく長い時間とは1500万年〜2億年で、日本列島は4つの大陸プレートの移動と衝突による「隆起や噴火」と雨や雪や風などの「侵食」によって形成されてきたのだった。調べてみると、隆起と侵食の差は年間ほぼ1mmレベルで、その結果、尾根と谷の地形が形作られたのである。つまり1000メートルの山は10万年以上のもの隆起と侵食のせめぎ合いの結果できた産物なのだ。ちなみに、10万年前とはホモ・サピエンスの誕生は確認されつつも、アフリカから世界各地への大移動を始めていない時期である。その圧倒的に大きな時間や世の中の移り変わりなどを、理屈なしにどーんとぶつけられたようで、ぼくは何も言えなくなってしまったのだった。

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人工知能のことを語る

生成AIの存在には大きな懸念を抱きつつも、哲学や倫理の話をするには本当にいい相手だなと思ってしまう。以下は「自分が他の人にしたことは必ず自分に返ってくる」という対話をしていた時に出てきた回答で、すごく上手い説明をするなあと感動した箇所である。

たとえば、人を騙す。すると、その瞬間に「騙すことが許される世界」を自分も作ってしまう。たとえば、他者を人間として扱わない。すると、「人間を人間として扱わなくてもいい社会」の一員になる。たとえば、憎しみで相手を攻撃する。すると、自分自身も「敵を人間として見る必要がない」という世界観の中に入っていく。つまり、「他者への行為は、同時に自分が生きる世界そのものを作っている」。これはかなり現代的な倫理です。
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テレビで紀伊半島の先端、三重県のほぼ最南端の御浜町で「超ごくわせ」みかんの収穫が始まったというニュースが流れていて、いいなと思った。御浜町の「超ごくわせ」〜「早稲」のみかんは日本トップレベルでおいしいのだ。そして、熊野市、御浜町、紀宝町と和歌山県東側へと向かうこの辺りの町の空気感や景色がぼくは大好きである。

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日常のことを語る

山へ行くために、筋トレをはじめた。カーフレーズ、ランジ、プランク、プッシュアップ、スクワットと基本ばかりだけど、朝と夜に頑張ってできる限り頑張ることにした。何でもやっていると、色んな情報が入ってきて、痩せるならとにかくスクワット。しかも、スクワットは太腿の前部ではなく股間や腰の筋肉を鍛えるものなので、「回数よりも深さ(お尻を下ろす感じで)が大事」という野田クリスタルさんの言葉がなぜかすごく心に沁みた。病を抱えながら人里離れた場所で負荷の高い運動(登山)をすることはリスキーだけど、同時に病の治療にとって最善手と考えられるので頑張りたい。

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日常のことを語る

登山の知識がついてきたので、モンベルへギアを見に行ってきた。ストームクルーザー、トレールアクションジャケットなど「山の定番」と呼ばれる製品の品質は本当に素晴らしかった。一方で小さめのリュックを見ていたんだけど、ぼくにはしっくり来なかった。で、屋根裏に大昔に買ったアークテリックスのリュックが転がっていたのを思い出して、それを使うことにした。アークテリックスは元々ハーケンとかロープとか「崖登り」用の道具を入れても大丈夫なバッグや動きやすい服を作っていたメーカーである。「クソ頑丈で使いやすい」というユーザーの印象が集まって、30年後にアウトドア業界の超高級ブランドになっているのが面白い(今もとにかく頑丈らしい)。

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音楽のことを語る

個人的に昨年一番よかったと思うのが、ブラッド・メルドーの『Ride Into the Sun』というアルバムだった。特に、一曲目の「Better Be Quiet Now」が非常によくて、人生の一ページになっているんだけど、ふとしたきっかけから、このアルバムにはエリオット・スミスのカバー曲が多いことに気づいた。で、調べてみると、アルバム自体がエリオット・スミスに捧げられた作品だったらしい。残念なことに、ぼくは原曲を知らないもののほうが多かったんだけど、カバーのおかげで偉大なアーティストの存在を思い知らされた。昨日のジョニ・ミッチェルと同じく、エリオット・スミスさんの楽曲はクラシックのロマン派的な美しい響きを持っているんだよなと思う。

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音楽のことを語る

ジャズ歌手のカサンドラ・ウィルソンさんが亡くなられてしまった。十数年前にすごくハマって聴いていたので、聴いて弔った。ぼくが一番好きなのは『A Tribute to Joni Mitchell』という京都のスタバで流れてて、即買いしたアルバムに入っているジョニ・ミッチェルの「For the Roses」という曲だった。原曲も、このコンピもすごくいいんだけど、別次元にいいカバーだった。カサンドラさんの曲は、秋にとても似合う気がする。名曲のカバーも沢山残されているようなので、ボチボチ聴いていきたい。

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また能登半島が災害に襲われてショック。子供の頃の大切な思い出の場所なのだ。今は直接行けないけど、遠くから復興を応援したい。で、お金を稼いだら、必ず両親を和倉温泉などへ連れていきたい。ぼくはこれからも能登半島を応援していきたい。

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登山アプリの性能をテストすべく、なじみのある山の登山口まで車で出かけた。地図を見れば、標高1000mの山頂に対して、600m付近の登山口まで車道があり、かつ駐車場があるという記録も残っていた。しかし、その車道が超狭くて、落石まるけの超危険な道であることは行くまで分からなかった。ガードレールのない高さ数百メートルの道を走ったのも人生初だった。もう二度と車では行きたくないと思ったけど、標高600mでも山の上から見る世界は神々しかった。相当体力づくりが必要だと感じたけれども、その風景をまた見に行きたいと思った。

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自宅で2台使っているデスクライトの蛍光灯が一つ切れて、お店で最後の3本を買い占めた。店員さんの話によれば、年内にパナソニックは蛍光灯の製造を止めるらしく、今あるものがなくなったら終わりらしい。で、まったく合理的ではないけれど、全部で1万円以上かけて、2.5〜3年の延命対応を選択した(ブラウン管テレビに地デジチューナーをつける的な選択である)。理由はよく分からないけれど、「使えるものを使える間に捨てるのは嫌だった」からだ。もっともパナソニックの人からしたら、Nationalブランドの製品をいまだに使っているぼくは許せない存在かもしれないけれども。

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山に興味を持ってからコアな登山ファンからの信頼が厚い「ヤマレコ」というGPSアプリを開発した社長(まとやん)のYouTubeを観てるんだけど、「靴とザックと雨具があれば登山はできる」的な動画があって、その通りにした。と言っても、買ったのは熊除けスプレーと安いレインパンツくらいで、後は全部手持ちのもので対応することにした。あとはおにぎりと水筒とタオルを入れるだけで、いつでも登山に出かけられる。と、こうなるとますます地図を読む技術が大事になるんだよなと痛感する。まだまだ暑いので、秋になるまで読図について学びたい。

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昔から興味がありながら、今まで距離を置いていた登山になぜか興味が湧いて、この数週間で北アルプスの主要な山の登山動画をほぼ全部見た。この「北アルプス」とは、岐阜、長野、富山、新潟の県境が接するあたりにある3000m級の山々のことである。で、これらの山々の代表的な入り口が「上高地」で、ぼくは過去に何回も行ったことがあるものの、こういった概念をまったく知らなかった。「上高地」はわりとインスタ的な場所でキレイというよりイヤだなという思いが先に立つけど、その先の「涸沢カール」という場所がガチでよさそうだった。そして、実はそんなに頑張らなくとも行けそうだという点が魅力的で、そう遠くない未来に挑戦したいなと思うのだった。

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タバコを止めたので、カフェに行けるなと思って、スタバへ行ったんだけど、これじゃない感がハンパなかった。思えばタバコを止める前から、ぼくは開放的で明るく健康的なカフェより、暗くて狭い秘密基地みたいな喫茶店が好きだった。同じ感じで暑くて人が多くて音がよくない音楽フェスより、静かに座って聴けるホールコンサートが好きだ。さらに焚き火の匂いにまみれて眠るテント泊より、美味しいものをつくって食べてシャワーを浴びて寝られるコテージ泊のほうが好きだ。という感じで、二項対立はよくないけど、自分の面倒臭さを実感するのだった。ぼくはアウトドア好きだけど、テント泊が苦手なのだ。

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(承前)なぜ、こんなことを考えているかというと、毎年1,600人が水難事故に遭って約50%が死亡し、3,600人が山岳事故に遭って10%が死亡するという統計データを見たからだった。特に、川下りは絶対に沈まないライフジャケットと一切の水が入ってこないドライスーツというフル装備をしていても一回の転覆で30〜80%くらいの気力と体力を奪われる(経験的にも、統計的にも、無防備な人は30〜60秒以内に溺れる)。だから、いかに危険を避けるか?転覆したらどうすべきか?をずっと観察・試算している気がする。そして、無理な川へ入ることと同じくらい、山で道に迷うことは危険なのだと、ぼくは経験的に知っているのだった。