『われら』ザミャーチン
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読み終わったよエイドリアーーーーーーーーーン!
たったの二巻を読むのに何日もかかった……一頁あたり平均六個のギャグがあり、さらに時折はさまる「このくだりを読む必要はありません」という但し書きによりムキになって細部まで読んでしまうという罠にはまり、数ページ読んでは寝落ち(気絶)を繰り返してやっと読み終わりました。特に何も残ってないけど、笑ったことは笑ったよ☆。
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1 月
・小森陽一『子規と漱石 友情が育んだ写実の近代』
・石原千秋『なぜ「三四郎」は悲恋に終わるのか 「誤配」で読み解く近代文学』
・中島京子『FUTON』
・『明治の文学 田山花袋』
・山田正紀『仮面』
・シュテファン・ツヴァイク『人類の星の時間』
・春日武彦『臨床の詩学』
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「スクラップ・アンド・ビルド」羽田圭介
・タイトルが秀逸。たった一言の「スクラップ・アンド・ビルド」のスクラップとビルドがいかに取り違えられているか、最後の最後に「あぁ…」ってそれまでの力がすっと抜ける。文章もごく自然に変わって、読み終わってよかったなぁと思いました。
・読んでいる最中は主人公の行動と、介護を巡る社会状況の記述がちょっと説明くさいというか言い訳のようにくどく感じられるのだけど、ラストまで来て、それが社会の一部、断片だとわかる。
・主人公はずっと家族の一員で、元々しっかりと「息子」であるんだろうなぁというかんじが最初からしているのだけど、それでも後半、血縁のもろもろに思いを致すところとか、決定的に「子供」であり「孫」であると思わされる一文に、はっとする。
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先週末は恩田陸に捧げました。
『蜜蜂と遠雷』
ピアノコンクールで天才たちがぶいぶい唸る。まさしく『チョコレートコスモス』に熱くなった人々が快哉を叫ぶ一冊。でも読者が一番じりじりして待っていたに違いないトリの演奏をまったく描写せずに最終結果だけぽいっ、と投げ出して終わるのがものすごく恩田陸っぽくて……あぁ、すき……!っていう。
『七月に流れる花』『八月は冷たい城』
「講談社ミステリーランド」シリーズのラストのラストを飾る、ご褒美盛り沢山のような装丁が素敵な本たち。果てしなく部屋と回廊が続く古城。少年少女。夏の合宿。これもザ・恩田陸なアイテムがたんと出てきますね。ずいぶん昔に出た「淋しいお城」を読んでれば“みどりおとこ”の正体はだいたいわかっちゃいますけど、初体験のお子たちはどう思ったかしらん。
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田山花袋「少女病」「蒲団」
久しぶりに読んだ。わかいときは「気持ち悪い」とか「ひどい」とか「被害者顔してるけど単なる鬼」とかしか思えなかったのですが、今読むと主人公の一人相撲が憐れなのに特に同情せんでも読み進められるように書いてあるところが技巧的かなと思いました。悪質なアイドルオタクが言いそうなことがきゅっと詰まったこの短編。若い娘さんに向かって「老けた」とか言っているような輩のルドヴィコ療法にぴったりよ。
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『横浜駅SF』柞刈湯葉
数年前にネットで話題になった横浜駅が無限増殖する設定を原案に書かれた長編小説
表紙のイラストが気に入ったので衝動買い。
増殖しすぎて本州の99%が横浜駅になってしまった世界を舞台にしたSF活劇?かな?
もとネタは横浜駅の改装工事が今まで一度も完了したためしがなくずっと工事中なことから
横浜駅は改装し常に広がっていく状態がデフォルトなのではというちょっとした横浜あるあるネタからの派生
設定はよくこんなこと考えたなっていうよく作り上げられた感じで感心しきりです。
残念なのは設定作りこむのがメイン動機っぽくなっててストー…[全文を見る]
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架神恭介『もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら』『仁義なきキリスト教史』
『聖☆おにいさん』でブッダがイエスに「あれっ、君悟ってないんだ。悟っておいた方がいいよ」というくだりがあるのですが、あの辺のすれすれギャグがより味わい深いことになりました。やっぱり本はおもしろい方がいいねえ。この二冊は注や解説、参考文献などもわりとちょこちょこ入るので、何ならここから勉強を始めることでもできる、とても夢のある本です。
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『走ル』羽田圭介
・自分の心と身体の響き合いの中で、今の自分の世界の広さを確認する様子が清々しくて、可愛らしい
・男の子を持つお母さんは、本当に大変だなぁ、こんなのが家にいるんだもんなぁ、とつくづく思う
・一緒にどんどん移動できる、心の動きも共有できる、文章で、そういう文章力を発揮しながら内省的なことはほとんど書かないで、こんなに青春
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「シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険」 (THE SEVEN-PER-CENT SOLUTION) ニコラス・メイヤー 編 故ジョン・H・ワトスン博士 著←(という設定)
ホームズの二次創作(パスティーシュ。英仏の作家はお笑いや諷刺の要素が入ったものはパロディとして区別しているそうです)の中で非常に秀作とされているらしい
映画化もされてる有名な作品らしい(ただし古書でしか手に入らなかった)
ジクムンド・フロイト...! 紳士でかっこよすぎてつらい!!! 実在人物を登場させるに当たりそりゃまああまりこきおろして悪役にはできないと思うけれど
でも自分が今まで伝記を読…[全文を見る]
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『夜行』森見登美彦
〜ネタバレ〜
・いつものように出町柳に集合したりするから、主人公を大学生だと思って読み始めたら、30代の社会人で、はっとして、そう思えば文体も、ちょっとした会話も、いつもと違う…と読み進めると
・百物語のように進む怪談めいた話、虚実ないまぜで、確たるところがなく、ぞわぞわする…と思っていたら………
・ラスト近くで「あ!これは『太陽の塔』だ!」と思いました。一晩経って思い出すに、やはり底にあるのは『太陽の塔』だと思います。符合するところもいくつかあるし。ラストの「曙光」を見るに、そうだと思います。
・もちろん、そうではなく、もっと怖い話として深読みすることもできますし、「曙光」を拡大することもできる物語世界と構成になっています
・気に入らないのはイラストと、“のっぺらぼう”というところ。物語の繊細さと比べると、のっぺらぼうはちょっと雑なかんじがしました
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『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』羽田圭介
・ゾンビものとしては元ネタありなのだけど、引用の加減に品の良さがあって、面白い
・さくっさくっと差し込まれるはっとするシーンや台詞の不条理さと軽さと本当のことに、おぉ…!って思ったり、そういう部分がとてもよかった
・タイトルでもう言っちゃっているけれど、ゾンビものでありつつ、語られているのはゾンビではなくて文化で、そこは「うん!うん!」なんだけど…着地点が私は「うーん…」となりました
・いろいろ考えるところがあって(いろいろはidページに書くけれど)、結論としては「この人は純文学作家さんなんだなぁ…」と、しみじみ思いました。この作品しか読んでいないのだけれど
・面白かったです
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羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」
言わずと知れた芥川賞受賞作、今更ながら漸く読み終えた
私事ですが読み始めた当初は介護に携わる身だったので辛くて読み進められなかったのですが今はすんなり入ってきました
はらはらしたけれど「こんなに痛くてつらい思いをするならしんだほうが良か」が口癖の祖父に過剰な介護をすることでその手伝いをする主人公、実際、祖父が危ないとあわてて病院に連れてゆく
「祖父が苦しみながらしぬのは本望ではない」と言って
ままならぬ就職、打算的な恋愛(というか性欲処理)しかし主人公は結婚したくないわけではない、その葛藤
ラストがハッピーエンドなのかアンハッピーなのかは受け手によるだろう
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「キッド・ザ・ラビット ナイト・オブ・ザ・ホッピング・デッド」
東山彰良
・ゾンビとハードボイルドがお好きな方にお薦め、とはいえ、それらを足した上でさらに新ジャンルみたいなかんじです。「ヒゲよ、さらば」のリアリズムを劇画化したような?
・続編なので、前作「ジョニー・ザ・ラビット」を先に読んだ方がいいです
・すーごい盛りだくさんで、脳内の映像化が全然追いつかなくて、たいへんでした
・パパ・ゲーテは、かっこいいやつ!
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「誠実な詐欺師」トーベ・ヤンソン
・北欧の冬、それも今年は特別雪が深い、僻地の村、その外れの森に佇む白い兎屋敷、ムーミンだったらファンタジーな舞台なのに、のっけから不穏で不穏で仕方がありません。何しろ、主人公の姿が世界に刺さったたった一つの棘のようなのです。
・犬はどうなったのかなぁ。
・登場人物3人が、とてもピュアで、でも、それは世の中に馴染めない、或いは成熟していないということなのかなぁ。脇役のリリィエベリやニィゴードの女主人を見ていると、そう思える。ひじょうに雑に言えば、自立の話なのかなぁ。自分の世界には他人はいなくて、他人…[全文を見る]
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山岸凉子『テレプシコーラ』第二部(1)〜(5)読了。あーー、おもしろかった! 六花ちゃんみたいな主人公、大好き〜。この五冊は「LIFE !」でいうところのラスト五分、「オデッセイ」でいうところのラスト十分ね〜。あれだけの第一部を読んだ後だもの、このエンドロールがなかったらおさまらないところでした。満足した。おすすめです!
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山岸凉子『テレプシコーラ』第一部(1)〜(10)読了……お、おおおお、重……。重……ずっしりした読み応え……生きた……。
今夜眠れなくなったらどうしよう! おすすめです!
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ジャスミン・ギュ『バック ストリート ガールズ』(5)
表紙をここに引用したら一発で出入り禁止になるレベル。電車で読めない。へたうったヤクザが親分の命令で性転換してアイドルになるという夢のある漫画。今回は猫ちゃんが大活躍! ちょっぴり不気味な猫ちゃんと出会い、蜜月、そして涙……。その話の直前は痔のお話。痔のお話は二回出てきて……まあ、それはいいとして、とても素敵な漫画です。
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『海の見える理髪店』荻原浩
・直木賞受賞作。私、こういう話の流れ好きです。理髪店、つむじ、頭の後ろの縫い傷。ああ、ああ。
・短編集でした。その場合、収録する順番も趣向を凝らしているんだろうなと改めて気づきました。「空は今日もスカイ」からの後半3作は、そういう部分にも切り込んでくるんだと…一気に読んでしまった。
・「成人式」やめてよ、やめてよ。ふと頭をよぎることがある。でもそんなことはないと思い直す。そうして生活しているのに。この夫婦の思い切った行動には面食らったけど、それでいい。