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読了のことを語る

『夜行』森見登美彦

〜ネタバレ〜
・いつものように出町柳に集合したりするから、主人公を大学生だと思って読み始めたら、30代の社会人で、はっとして、そう思えば文体も、ちょっとした会話も、いつもと違う…と読み進めると
・百物語のように進む怪談めいた話、虚実ないまぜで、確たるところがなく、ぞわぞわする…と思っていたら………
・ラスト近くで「あ!これは『太陽の塔』だ!」と思いました。一晩経って思い出すに、やはり底にあるのは『太陽の塔』だと思います。符合するところもいくつかあるし。ラストの「曙光」を見るに、そうだと思います。
・もちろん、そうではなく、もっと怖い話として深読みすることもできますし、「曙光」を拡大することもできる物語世界と構成になっています
・気に入らないのはイラストと、“のっぺらぼう”というところ。物語の繊細さと比べると、のっぺらぼうはちょっと雑なかんじがしました