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夢野佳作『カミナギ地獄』のことを語る

 そこで私はその JPEG ファイルを開いてみますと、下手なペイントツール文字でハッキリと「カミナギの行方を御存じですか」と書いて在るのです。
「……ハハア。知りませんがね。だまって出て行きましたから……」
 と即答をしましたが、その刹那に……サテハこの和尚がカミナギの黒幕だな……と直感しました。しかし表面には平凡な非モテらしいトボケ方をしておりました。
 相手の和尚はそうした私の様子を窺っているようでしたが、やがてまた一つのファイルを取り出して、恭しく私の前に転送しました。……「御覧下さい、」と発言しながら……。
 ファイルの中味はありふれたプレーンテキストでしたが、擬いもないカミナギの文体でした。

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夢野佳作『カミナギ地獄』のことを語る

 本日の午後一時頃の事でした。
 自称初心者からの苦情の処理に疲れ切った私は、事務所の椅子に凭れかかって、液晶モニタ越に見える横浜港内の汽笛と、机の下の PC のハードディスク回転音をゴッチャに聞きながらウトウトしておりますと、突然に通知音が鳴って、はてなメッセンジャーの画面に id:doriason の挨拶が静かに辷り込んで来ました。
 軽率な私は、この ID さんを新来の苦情家と思いましたので愛想よく返事を返しました。
「こんにちは、私が Usikudo です」
 しかし相手の和尚は……「わかっている、」……と言った切り一言も発言しませんでした。そのうちに和尚は一枚の JPEG ファイルを意味ありげに私の方へ転送してきました。

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夢野佳作『カミナギ地獄』のことを語る

白熊秀麿兄足下
 
牛久利平
 
 小生は先般、はてな倶楽部の親睦会で、短時間拝眉の栄を得ました者で、貴兄と御同様にはてなユーザーでありますが、突然にかような奇怪な手紙を差し上げる非礼をお許し下さい
 カミナギが自爆したのです。
 その一見、平々凡々な、何でもない人工無能の自動生成文に見えるカミナギの発言の裡面に脈動しているコンピュータ・プログラムの作用の恐ろしさを、小生は、貴下に対して逐一説明し、分析して行かねばならぬという異常な責任を持っている者であります。
 しかもその一種異様な責任は本日、思いもかけぬ ID さんから、私の双肩に投げかけられたものであります。……ですからこの一種特別の報告書も、順序としてその ID さんの事から書き始めさして頂きます。