山下公園で中東系の顔立ちの皮膚が真っ黒な男性の一団がニコニコしながら記念写真を撮ろうとしていた。
撮ってやんよ、と思い、カメラを持った男性の肘をつついてカメラを受け取り、二枚撮った。
その後中華街で買った焼き栗を二掴みばかりあげた。
フレンドリージャパニーズ。ウェルカム・トゥ・ジャパーン。
そんな気持ちでいたのだけれど、彼らは
「カメラを盗られるんじゃないか」「栗を押し売りされるんじゃないか」
と心配していたのか一様に顔が引き攣っていたらしく、甥があとから不安気に
「ああいうこと、ヤメた方がいいよ」
としきりに常識を解いてきた。昔よく妹が
「お姉ちゃん、やめて」
とあれこれ制してきたのを思い出した。
土曜日に病院へ行ったら、そのあと千葉県のホキ美術館へ行こうと一週間それだけを楽しみに予定を立てていた。
そしたら日曜日紆余曲折あって甥を見ることになり、甥は美術館へ行きたくないというのだった。
そんなわけでもちおと三人でドラえもん映画を観た。
映画が終わったあと車に乗って、助手席で甥から借りたBAKUMANに一瞬目を落としていたら、
次に目を上げた時には見覚えのない景色の中にいた。
ちゃんとナビらないともちおはどこへ行くかわからない。
町田のグランベリーモールへ行くつもりが関内の中華街で一日すごすことになった。
腎臓の検査の結果は悪くなかった。
「こんなものだ」と思っていた健康診断や病院での検査結果は驚くほど悪かったらしく、
「これが本当だったらたいへんな慢性腎炎だ」とお医者さまが血相を変えたので怖かった。
ということで去年やるはずだった蛋白の量を調べる尿検査を三日がかりでやったのだった。
その結果、単発の尿検査の結果からすると考えられないくらい蛋白の量は少なかった。
「なぜこんな大きな差が出るのかはわからない。しかし状態は悪くない」
とのこと。
たぶん検診の日はがんばって病院に行くけど、日頃は寝てるから少ないんだろうな。
検査中はどこへも行かず、ずっと家でしゅーんとして寝てたもん。
リル、リル、どこにいるのかリル誰かリルを知らないか?
リルルと聞いてそんなことを思った。
藤子F先生もそんなことを思って描いた話だったんじゃないかしら、のび太と鉄人兵団。
面識のない方、お話したことない方だけでなく、
かつて罵詈雑言吐かれたことのある方や、メールの返事を寄越さない方、
Twitterでブロックされている方からもfacebookに友だち申請が来るので、
facebookは地味に流行りだしたんだなと実感する。
「この映画はなんですか?」
とお店のお姉ちゃんに聞いたら、
「”Dr.パルナサスの鏡”です。ヒース・レジャーが主人公なんですけど途中で死んじゃって、そこから何人も入れ替わりで出てくるんです」
と言うので「ネタばれスンナYO!」と内心思いながら見た。
いま調べたら亡くなったというのは映画の話じゃなく俳優の話だった。
「撮影中にトニーを演じるヒース・レジャーが急逝、撮影が中断し一時完成が危ぶまれたが、彼と親交のあったジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が別世界にトリップしたトニーを演じることが決まり、撮影が再開された。」
以上、今日wikipediaで得た知識でした。
旅に出ようと思って二泊三日の着替えや洗面用具を持って出掛けたけれど、
病院帰りにいつも通らない道を歩いたら知らないお店がたくさんあった。
カレー屋のインド人からお香をもらったり、
タイ古式マッサージ店のタイ人からタイ語を教わったりしたあと、
手作りタコスの店で「Dr.パルナサスの鏡」を最初から最後まで観た。
地元を堪能して家に帰って寝た。
三日がかりで採取した黄金水三本を腎内科に持参せねばならぬ。
いつまでも冷蔵保存しているわけにはいかない。
ちょっと大げさなようだけど、
「国にとってわたしは仕事を得て欲しい人間じゃないんだな」
と思いながらゆっくり歩いて帰ってきた。
それは現実。国はわたしに何か借りがあるとは思っていない。
親族に着物をわたしにやりたくない一心で着付けの資格を職業訓練校で取ったのがいるので
そういう不埒な人間を許すマジと考える気持ちはわからなくもない。
でもそういう面白おかしい資格じゃないと思うのよね、事務とかITって。
実は申込用紙をもらいに行く前、家を出た瞬間
「わたしが働くことで仕事の枠が一つ埋まってしまう」
「わたしが職業訓練を受けることで援助のお金がわたしにかかってしまう」
「無資格でできる肉体労働以外申込むべきじゃないんじゃないか」
とおかしな罪悪感にかられて数日悩んだ。
でもうちだってお金は必要。働いていいし、その為の訓練受けていいはず。
肉体労働できないから尚更。
でもその種の罪悪感を猛烈に刺激される面接であった。
思い出して胃が痛いなう。
だけど、あの対応じゃさあ。
長期間ニートだったりひきこもりだったりして、やっと仕事就くかと外に出た人とか
子育てや介護で仕事にブランクがある人とか、闘病期間の長いハイカーとか
打ちのめされると思うなあ。本当に。
背中に汗びっしょりかいちゃったよ。
その後生活支援給付金対象者ではないこと、交通費など出ないことを確認し
(交通費について聞いたとき、「ここで厳しく言っておこう」という空気が炸裂)
こちらに見えないように書類にあれこれ記入されるのを見てから受付を後にした。
何を書いていたか知らないけれど、紙の端っこに×が書かれていたのだけ見えた。
この後支援協力校に電話をして面接に合格したら学校入れるらしい。
資格取得100%校だそうなので、試験に落ちそうな人はいれない方針じゃないかしら。
お国のお金を使わせていただくっていろいろたいへんね。うちも税金は納めているんだけど。
窓口はあれがデフォルトなら問題でしょうね。でも失業率を考えると全国的にそんなものなのかも。
おばちゃんはほんとに気の毒ですが、たぶんそうとう色々面倒だと思いますよ。
わたしはもちおに養ってもらっていますから生活支援給付金対象者ではないです。
もしかすると年齢に合ったとハロワ側が考える仕事、
介護や生命保険の資格やビルメンテナンスなどなら対応が違うのかもしれません。
「わかりました。ところで、前職の関係のお仕事でもよいとお考えなんですね」
「そうですね」
「その場合、こういった資格を取得されることについてはいかがでしょうか」
使わない資格だったら要らなくね? ってことか。
「この資格は前職の内容とも関係していますので、その場合にも就業に有利だと思います」
「そういったお仕事に就くことは考えていらっしゃいますか?」
「そうですね。ただ時間の制限があるので今のところ難しいと思います」
「そのような条件が合うお仕事の募集があとになって出てきた場合ですね、ちょっと問題があるかもしれません」
これ、聞き流してたけど、思い返してみたらそんな未来のことまで責任負えるわけないじゃん。
「それは大丈夫だと思います。需要はあるので心配していません」(きっぱり)
「・・・それは、どうしてですか?」
「これから大手企業に入って正規雇用で働くのは無理かもしれませんが、
個人経営でこの資格を必要としている事業主は多いと思うので」
「そうですか。そういった場合こちらに来られる前にお仕事先をお調べになっている必要があるのですが、
具体的にそのような就職先がありましたか?」
「はい、近所でも募集がかかっていました」
申し込み用紙をもらいに来た日にたまたま壁に張っていたのが目に入ったんだけどな。
「ああ、そうですか」
「はい。それに個人でそういうお仕事を頼まれてお受けしたこともあります。
今後も需要はあると思います。その際系統だった知識と資格があれば有利だと考えています」
実家と知り合いに頼まれただけだけどな。
通りすがりなので詳しい事情は存じ上げませんが、
あのおばちゃんは訓練生活支援給付金なども考えたうえで申し込んでいたんじゃないかと思います。
「お金もらいながら勉強させてあげますよ、っていう制度じゃないですよ。ええ」
とかも言われていたので。
そしてわたしの番に。
高そうな時計とピッカピカの上品ネイルとさりげないダイヤのクロスネックレスがおしゃれなアラフォーさま。
わたしとしてはハロワの職員は事務員のようなもので、手続きを手伝ってもらう人という位置づけだった。
でもハロワの人的には、自分は国のお金を無駄遣いする低能な無職人間を瀬戸際で食い止めるのが仕事の様子。
「やはり若い方の応募が多い中で、このご年齢でお仕事があるか、どう思われます?」
…間。
「どうと言うのは?」
「募集があるかどうか、お仕事があるかどうかと言うことですね」
おまえの年齢で資格とっても就職先なかったら資格取るだけ金の無駄だよね? ってことですか。
「いいですか、ワードは文書作成ソフト、エクセルは、グラフや何かを作るソフトです」
いや、エクセルは表計算ソフトだしグラフはワードでも作れるだろう。
なんだお前もよく知らないのか。
「・・・そういうのを入力するためにもパソコンが必要ですから、操作を覚えたいんです」
「はあ。じゃあ文書作成のためにワードが必要なんですね?」
こう書くと申し込み区分に該当するよう誘導しているかのうようだけど、
実際にはボロクソ言われ続けても粘ったおばちゃんに根負けした様子であった。
”さあ、資格を取得して再就職に励もう!”
みたいな謳い文句なのに、一昨日来やがれと塩を撒くような対応に驚いた。
「具体的にってそんな、使えないから申し込んでいるんですよ」
「具体的な理由がないとですね、お申し込みいただけないんです。わかりますか?」
「”初心者のためのPC講座”じゃないですか?」
そういう講座は確かにいくつか出ている。
「ああ、そういう訓練も確かに致します。ワードですとか、エクセルですとかですね」
「事務をするにもワード・エクセルは使えないと仕事にならないと言われますし」
「事務でどうしてワード・エクセルが必要なんですか? 具体的に何をするつもりですか?
ワード・エクセルってなんだか知ってますか?」
もはや因縁としか思えないレベル。