『彼女はもういない』西澤保彦(著) 幻冬舎
露なミソジニーとか、自分の性に違和感を感じる者とか、違和感解消をどこまで突き詰めてしまうか、とか。卑屈でしかあれなかった青春とか。
最後の最後だけが読むまでわからなかった。伏線はちゃんとあったのに。
西澤保彦の主人公たちは狂えないんだよ、いつも。逃げ道を常に、無意識に作っているから。
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『妖異金瓶梅』山田風太郎(著) 角川文庫
このコレクションのカバーイラストは田島昭宇で、ミステリーだとぴったりだけど、忍法系には合わんなあとは思っていたが、ことにこれは! ぜひ他社で担当してた天野喜孝にやってもらいたかった!
『金瓶梅』から設定を借りたミステリー短編連作集。探偵も動機も犯人も、ほぼ全作一緒というアクロバティック。『金瓶梅』からとっただけあって、エロでヘンタイ話が続くのだけど、最後に至って、その愛というか妄執に、感動してしまう。
凄い。
『金瓶梅』原典読んでなくてもだいじょうぶ。わたしも読んでないから。
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『生ゴミを食べてもらうミミズ御殿の作り方 ミミズコンポスト完全マニュアル』佐原みどり(著) 中村好男(完訳)
……いや、やらないよ?(笑) そういや10年くらい前、『通販生活』でキャノワーム見て即座に注文した同僚がいたのだが、まだ続いてるんだろうか。
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『悪魔はあくまで悪魔である』都筑道夫
恐怖小説のみの短編集なのだが、わたしが擦れてるのか、まったく怖くない(笑)。
怖くないけど最後の『幽霊の宴』が好きだった。ああならいい。
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THE MURDER OF ROGER ACKROYD by Agatha Christie
あまりにも有名なのであとに回してたけど、とても楽しめた。わかってても、わかってるがゆえの楽しみがじゅうぶんにある。
しかし最後のポワロさんはすごい怖いです。優しいけど、酷。こういうこと時々あるけど。
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田辺聖子『言い寄る』乃里子三部作
お聖さん、かっちょええ!
前もかいたかもだけど、栗本へんへと同じく、わたし図書館でこれといって読むものないけどつまんないの借りて外したくないときは、田辺さんの本かりるのよ(かりてた、か正確にいうとOL時代)
これが1970年代に書かれたことにびっくりする、新装版が出ることの意味がちゃんとある
関西弁のニュアンスがわかったら、もっと面白かったんだろうなあ
でもって、じぶんがつまんない女だなあっておもったw
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『動機、そして沈黙』西澤保彦(著) 中央公論新社
ボーナス・トラックとして書かれた標題作がやっぱり一番らしい気がする。もう今となっては確かめようのない、仮説でしかない推理。
しかしこの人、いったいどれくらいの珍名リストを持ってるのだろう。読むたび感心する(笑)
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『天狗岬殺人事件』山田風太郎(著)角川文庫
基本、奇想の作家は、本格とバカミスを行ったり来たりするよねえ(笑)
女探偵捕物帖シリーズが、まるで和田慎二ですごい好みだったです。
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三島由紀夫『小説読本』中央公論新社
「おれは誰でも小説が書けるなんておもってる輩が大嫌いなんだよ、そう思われてる小説の「曖昧さ」「自由さ」に苛立つんだよ、だいたい日本の小説家のいうところのリアリスムなんてやつはフニャフニャくねくねしてるだけで形も何もあったもんじゃなくて気色悪い、鷗外を読め! 徹頭徹尾言葉というものに拘らないやつが小説なんて書くんじゃない!!」という三島の「叫び」(超訳わたしw)が胸をついて致し方ありませんでしたまるw
うん、ごめんなさい、小説へたくそで本当にごめんなさい
でもわたし、不断に書く、ていうことだけは…[全文を見る]
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『あと千回の晩飯』山田風太郎(著) 角川文庫
著者晩年のエッセイ集。4つの連載を一冊にまとめたもの。最初の表題作が、実話ならではのあまりの展開に大笑いした。
著者はもうこの時期、小説は書いていない。読めば理由は察しがつく。本気で余生と思っていたのだろうな。
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『柳生忍法帖』山田風太郎
いろいろ言ったけど、結局、永井豪かなあ。読んでる途中で同居人に説明してて、「それはまぼろしパンティかけっこう仮面だろ」という結論に達しました。乱歩と永井豪足したら爽快になった感じです。
世代的に、時々千葉真一が頭をよぎって困りました。十兵衛かこいい。まじ惚れる。
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夜の底は柔らかな幻/恩田陸
ラストスパートかかってからのみるみる急展開に「え?え?」っていってるうちにどかーん!ばこーん!ずぎゃーん!はい終わり!ていう力業っぷりがものすごく恩田陸らしい。そいうついて行けなさも込みで魅力だとはつねづね思ってるけど、この本はご新規さんにはなかなかハードル高そう。正直わしも、このまとめ方はアリなのかどうかまだよくわからん。とりあえず『きのうの世界』以上にブッ飛んでることだけは言える。
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『姑獲鳥の夏』京極 夏彦
・怪奇と言うより猟奇的。
・主人公側の人間が学生時代の友人とその妹なので、なんていうか身内身内したかんじがする。文筆家、神主(で古書店主)に、探偵と刑事って、他の作品で主人公になりそうな職業がもれなく登場していて、みんな仲良し。
・お話は「この世には不思議なことなの何もないのだよ」という言葉を免罪符に猟奇趣味てんこもり。怖くはないけれど、気持ち悪さが残って、翌日眠れなくなる、目が覚めちゃうというオマケ付き。
・一番の謎が放置されるので(しかも一番気持ち悪いところ)、辛い。
・読みやすい。盛りだくさん。
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『カラマーゾフの妹』高野史緒
・『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがないので、どれほど緻密に原作を解き明かしているのかが、そうなんだろうなぁって思う程度にしかわからなくて、とても残念です。
・その緻密さの上での荒唐無稽というか、現代的というか、ライトなSFテイストだと思うので…。
・カラマーゾフ…で予想していた重厚さがなくて、若干拍子抜けなかんじでした。面白いのは面白いです。うーん…。個人の偏見に基づいていうと、女性作家によるすごくよく出来たSFマンガみたいな、そういうかんじです。
・でも、原作を知っていれば、どれほどの力技でこの作品ができたのかわかるはずで、こんな感想しか持てない自分が、返す返すも申し訳ないです。
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Murder in Mesopotamia by Agatha Christie
なんかわかんないけど読み終わるのにえらい時間かかった。この事件の帰りにオリエント急行殺人事件が起こった模様。ポワロがカソリックというのも確認。
DVDも一度見よう。
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『映画で読むアガサ・クリスティー』北島明弘(著) 近代映画社
第一部でクリスティーの生涯と作品業績を、第二部でクリスティー作品を元とする映画テレビ舞台ラジオ作品のそれぞれを紹介したもの。主要キャストや脚色具合も記されている。
ざっくり幅広く押さえるのにちょうどよかった。スーシェ版ポワロのドラマ全部のシーズンごと列記は特に嬉しかった。
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『魔界転生』山田風太郎(著) 角川文庫
めちゃくちゃおもしろかった。柳生十兵衛かっこいい、たまらん。著者は超能力者どうしの対決を書きたくなって忍法ものを書き始めたらしいが、実はこの本の中の十兵衛は忍法使ってない。人間対魔神の戦いで、しかもパーティー。
ジョジョ第3部とか魁!男塾みたいな荒唐無稽な話好きな人はぜひ。
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宮部みゆき「おまえさん」
・純だったり一本気だったりする男が 強かな女に振り回されるいつものパターンです
・が、なんか振り回すほうの女たちに 自分ととても似通ったものを見出して「だってそういう性質に生まれちゃったんだもの、しょうがないじゃん・・・」と自己弁護したくなったり
・この作品ラジオドラマはあるけど映像化はされてないんですねー
するなら井筒平四郎役は 山西惇さん(相棒の暇課長)がいいなあ と思いました
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ル・カレ『スクールボーイ閣下』
数年ぶりに読み返し。
毎回ずしーんとなって読み終える。
長くてままならない旅を終えてスマイリーの背中越しに世界を見回すとすぐまた最初から読みたくなる。
自宅での発掘を諦めてKindle版で買った。
iPadが完全に書物に見えてきた
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
ハンサムボーイの受難を描いた物語だった。
顔立ちがよく家柄がいいことのメリットデメリットが浮き彫りになっていた。
「なぜこんなことがおきるの?!」「ハンサムだから」「お金持ちだから」
なしに考えられないあれこれが起きる。
「神の子どもたちはみな踊る」の「蜂蜜パイ」が好きな人は好きかもしれない。
と思ったらヒロインの名前が「蜂蜜パイ」の娘の名前だった。
「すーぐ読めるわよ!あっという間!でもなんだかぜーんぜん!わけわかんない」
と言いながら毎回村上春樹の新作を買う継母ちゃんを見て春樹すごいなと改めて思う。
ネットを見るようになって目が滑ることこの上ない今日この頃、驚愕の読みやすさであった。