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「暗い嵐の夜だった…」から始まる超短篇のことを語る

暗い嵐の夜だった…
「ほんとはこんなこと…しちゃいけないんだよね」
目の前でそう云われた。どぎまぎしながら、うん、そうかもしれないね、と頷く
「でも、ほら、夜は長いから…ね?」
袋を破る音がする。でも暗いのでよくわからない。暗いから赤面してるのも相手には伝わらないかもしれない。それが唯一のありがたいところ。
「なに、してるの?」
「ふふ、教えない。なんだと思う?」
戸惑っていると追い討ちをかけるように
「さっきちゃんと歯磨きしたよね?」
との確認のあと、口あけて?と小声で命令される。従わないわけにはいかない口調で。
そのあと、口の中にキットカットが放り込まれた。
ああ、お腹が鳴ったのを感づかれたのだ。
しかしどうして歯磨き後のキットカットはこんなに美味しいのだろう。