電車で、床の上をペットボトルがころころ転がっていた。私のななめまえにいた女性の足下にこつんと当たって、その人は無表情にそのペットボトルを床の上に立てた。意外とちゃんと立った。まもなく到着した駅で乗ってきた二人組の片方がちらっとそのペットボトルを見て「爆弾よ」と言った。「梶井基次郎が丸善で本の上にレモン置いたみたいなことよ」と言った。言われた人は何の話? と聞き返して「あのペットボトルの話」「そういう小説があるの」って言われてた。私は駅に着いたところでそれを拾ってホームのゴミ箱に捨てました。
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