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読了のことを語る

『伯林蝋人形館(ベルリンろうにんぎょうかん)』皆川博子

全体を覆う眩惑的で耽美な空気はやはり皆川博子。
そして最終的には、その耽美な世界は、作中もっともシビアで現実的な一人の女性によって作り上げられたものであることが明かされますが、そうしたドライな着地点を用意してくるところも、とても皆川博子。
まっ白な霧で美しく包まれた底なし沼をのぞき込まされたような読後感。スリリングだわ。

皆川博子といえば、あれだけ話題になった『開かせていただき光栄です』をまだ読んでません。はよ読まなっ。