http://d.hatena.ne.jp/katokitiz/20140125/1390619082
というドラマの感想があってね。
思わず
「無表情・感情の起伏の表現が少ないから際立つ演技もあるわけで。壇れい、演技してたと思うけど、これで能力がないみたいに言われちゃうと…」
っていうブクマを残しちゃったんですが…
例えば、具体的に言うなら、第一話(しかまだみてないの)。
独自の操作をして、単独行動をとる福家(壇れい)に、上司である稲垣吾郎が「あなたは何を追ってるんですか」って聞くシーンがある。
「この事件は、2日後に会見を開いて、今ある事実を発表する。それで終わり。そんな状況なのに、あなたは何を追ってるんですか」と。
稲垣吾郎の役所は、冷淡(に見えるように演じてる)で冷静(に見えるように演じている)な上司で、変わり者の福家の単独行動(捜査)を、快く思っていないようだ。
(だけど、同時に、現実、福家の行動を制限はしていない、ということはわかる。言葉で「やめろ」とはいうし「捜査資料を渡すな」ともいうのだけど、実際、捜査はさせている.本気で捜査を辞めさせようとするなら、もっと別の行動はとれると思うし、その権限もあるのではないかとおもう)
その稲垣が、独自で捜査を進める福家に詰問するシーン。
福家は自分が疑問に思ってる事を一言で答える。早口で、かぶり気味で。
福家は、疑問をそのまま放っておけないタイプで、一方で、疑問がきちんと解決しないと、他人にぺらぺらしゃべるタイプでもない。
その一言は、一見「何言ってるの?」って言うような事なんだけど、必死に説明する福家に、稲垣演じる上司は、一瞬だけ顔に間を取って
「記者会見は、二日後です」
と伝える…というシーンなんだけど。
私は、このシーンの、細かな演技、表現された感情の機微が、素晴らしかったから、「福家警部補の挨拶」というドラマを見ようと決めた。
あの、能弁な表情は、凄く緻密な演技プラン(演出、および俳優の)があるものだとおもうし、ただキャラクターを演じたって言うのとは違う、と思ったから。
もちろん、これからどうなるかわからないし、原作も読んでないので、原作とは全然違う、のかもしれないけど。
福家は、無表情でもなんでもなくて、ものすごく正義感にあふれていて、情にもろいタイプの人なんだ、と感じた。
緻密に積み上げて推理して、適当な事は断定しない、という感じでやってたのに、謎解きの場面になると、先走るように相手に推理をぶつけてた福家。正直、あの演出は、「謎解きの見せ方としては気持ちのいい物ではない」んだけど、福家的にはありなのかもしれない。
一貫して「犯罪」というもののなかにある「哀しみ」を感じさせながら、福家をコミカルに、変わり者として演じている壇れいの演技は、相当緻密だと思う。