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勝手に引用のことを語る

選択式の客観問題に比べて、頭の良さを測るのに適当であると思われている記述式の問題では、遮眼帯をつけた馬さながらに、誤って思いこんでしまった解答の方向を軌道修正する機会もないままに、まっしぐらに誤答を書き続けてしまうような暴挙を、選択式の客観問題では、他の選択肢を視野に収めることで、避けることができる。むしろ自己を対象化し、自身の考え方を相対化する訓練として、選択式の客観問題はおおいに有効なのである。

(村上春樹超短篇小説案内/波瀬蘭)