id:hide-psy
勝手に引用のことを語る

たとえ小説の中に作者自身が登場して何かを書いてみせたとしても、その外に常に「本物の作者
(トゥルー作者)」がいる。
それはむろん、あらゆるフィクションがそうであるわけですが、むしろメタフィクションと呼ばれる
タイプの作品のほうが、階層化されている虚構の外部に鎮座する「作者性」が、強く働いているよう
に思うのです。
つまり、メタはむしろ「作者」を強化する、メタが「トゥルー」を招き寄せるのです。
実のところ、メタとは別の方法でしか「作者性」は解体できないのだと思います。

佐々木敦「未知との遭遇」