7 月
・岩井志麻子『現代百物語 終焉』ー毎夏楽しみだったこのシリーズもこれでおしまい。最後はバラエティーに富んでいて、「生きている人間がいちばんこわい」式じゃない、一線を越えそうになったり越えたりする話があって、こわかったです。
・柚木麻子『ナイルパーチの女子会』ー三人称の小説なんですが、二人の女性のどちらかに焦点がぐーっと当たる、ちょっと一人称ぽい雰囲気で、章が変わる度に「これいまどっちの話……」となるのがおもしろかったです。怪談よりこわかったです。
・スティーヴン・キング『トム・ゴードンに恋した少女』ー嵐を抱えた家族の中で、その台風の目の中でじっとがまんしていた女の子がふっといなくなっちゃう。もう、たいへん。半分過ぎたくらいで「ぁぁぁぁぁまだあとはんぶん〜」と泣きたくなりました。
・いとうせいこう『鼻に挟み撃ち』ー無類におもしろかった。
・ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』浦雅治訳ーおもしろかった。この「鼻」といとうせいこうの「鼻に挟み撃ち」だけ読んで夏が終わってもいいかなという気が(一瞬)しました。
本読了のことを語る