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読了のことを語る

『ちぐはぐな身体』鷲田清一
先日の展覧会のあとファッションをめぐるあれやこれやを頭のはしっこで遊ばせていたときふと手にとって一気に読了した。
金子光晴の詩「さくら」を知らなかったので大きな発見だった。

 いつも一からそっくりやりなおす準備をすること。「等身大」あるいは「身分相応」という観念を遠ざけること。

 ぼくらは服を失ったら、おそらく皮膚を掻きむしったり、裂いたり、激しく擦ったりするしかないだろう。想像力のかわりに苦痛で、からだの断片を繋ぎあわせるしかないだろう。

ときどきなぜ服を着なければいけないのかわからなくなってむしろすっぱだかで外に出なければならないような不思議な圧力を感じることがある。そんな時にも読むと良い本