狂は気がくるうことではない。好むところに溺れること、憑きものがおちないことをいう。例えば風雅に徹する人のことを風狂の徒という。それは〈世間の埒外に逸出しようとする志をもつもの〉であり、狂とは〈最大の讃辞〉だったという。
痴の字が痴漢という忌まわしい語にもっぱら使われていることを白川さんは嘆く。本来はうつつをぬかすという意味だそうだ。ただ、狂ほどは激しくない。控えめな狂。昔の文人墨客には書痴などと称し、みずからを誇るものがあった。
勝手に引用のことを語る
狂は気がくるうことではない。好むところに溺れること、憑きものがおちないことをいう。例えば風雅に徹する人のことを風狂の徒という。それは〈世間の埒外に逸出しようとする志をもつもの〉であり、狂とは〈最大の讃辞〉だったという。
痴の字が痴漢という忌まわしい語にもっぱら使われていることを白川さんは嘆く。本来はうつつをぬかすという意味だそうだ。ただ、狂ほどは激しくない。控えめな狂。昔の文人墨客には書痴などと称し、みずからを誇るものがあった。