今思えば震災について本気で考えたことがありません。いつもどこかに綺麗事をまじえて考えていたような気がします。
私は大好きな母を忘れそうになっています。
震災が起きる朝に交わした言葉も、声も顔も動作も、思い出せないことが多くなっています。それがとても怖いです。
そして忘れていってしまう自分が嫌でしょうがありません。
(中略)(進路説明会の時のこと)
けれど、みんな親がきて隣に座る。それを見た瞬間、少しだけ泣いてしまいました。
母に会いたい気持ちが溢れてきます。
母は死んでしまったけれど、まだ生きている、いつか会えると信じます。
その気持ちが私にとって前に進むための理由になります。これから大切な仲間とともにたくさんのことを体験し、心に残る思い出にしていきたいです。そして、母に会ったら自慢して、一緒に笑い合いたいです。
宮城県東松島市立鳴瀬第二中学校卒業生 高橋まなきさん