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紀野小梅のことを語る

大学病院の小児科はたくさんの子どもたちが来ていて、みんな何かしらあって、それでここに来ているという当たり前のことに、何だか涙が出そうになりました。
折しも七夕が近いので、短冊を飾った笹があって、ふと見ると願い事はそういうことで、やっぱり私もそういうことを願った短冊を飾るのでした。
多分日常的に点滴をしているんだと思われる子を見て、娘は「どうしてつけてるのかな?」と至極真っ当な質問をしたけど、私は「つける事情があるんだよ」としか答えられず。
普段あまり見かけることのない、車椅子のようなものに載っている子も何人かいて、娘はちょっとびっくりしたと思います。
片手で抱けるくらいの乳児も来ていて、私は「こんなに小さいのに!」と思ってしまったけど、その子と家族が抱えることは私になんかわかるはずもないから、そういう「一方的にかわいそうと思う」のは良くない。
こんな大病院で会う先生は、何だか近所の病院で会ったときより偉そうに見えたけど、それは一瞬で、やっぱりいつもの面白い先生で、それに本当に救われました。
採血とか、レントゲンとか、普通の子だったらやらなくてもいいことを娘にさせてしまうことを本当に申し訳なく思いました。それはきっと、母が「そんな体に産んでしまってごめんね」と以前私に言ったときの気持ちと同じ。
だけど悲観することじゃない。手だてはあるのだから。親の私がしっかりしないといけない。一番不安なのは娘なんだから。
しなくていい苦労だけど、買ってでもしろという言葉があるくらいだもの。家族で乗り越えるんだ。