信じてた。信じたい、だけど……
祖母と母が信頼する占い師に、私は子どもは30代になってから二人授かると言われた。
娘を妊娠・出産できたのは、本当に奇跡だったというのに、私はそれ以上を望もうとしていた。
周りがどんどん二人目を出産するから、それが当たり前のように感じていたし、占い師の言葉もあって、自分だってそうなると信じていた。
本当に、思い上がりも甚だしい。
私は普通の人とは違うんだ。比べてはいけない。
婦人科の手術をしたためか、AMHは40代の数値だったし、子宮には筋腫と腺筋症があるからから、やっと授かった娘はついぞ逆子のままだった。ただの一度も頭が下になることはなかった。さぞ居心地の悪いお腹だったと思う。
その上帝王切開で、子宮を切ってしまったんだもの。やっぱり私が二人目を望むのは高望みにも程があるんだよ。
一人目を体外受精で出産した方が、二人目を自然に授かったり、二度も流産した方が、帝王切開で二人出産できたりしているから、「私もできるんじゃないか」って思ってしまう、私は愚かだ。
小柄なため、帝王切開で二人のお子さんを出産した先生が言ってた。「江戸時代だったら、産めなかったわ~」大好きな先生。笑顔で。
そうなんだよ、高度な医療のお陰で、私は希望を見出だせた。お母さんになれた。この時代だったからこそなんだ。感謝しても仕切れないのに。
欲深い自分が心底嫌になる。欲を出したらきりがないって、わかってるよ、わかってるのに。
もう片方の手も、繋ぎたいよ。