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勝手に引用のことを語る

「ほんとうにお元気なの、ギルバート? ひどく疲れていなさる様子だわ。無理をしているのが、わたしには分かっていてよ」
 アンは急に恐怖におそわれた。確かにギルバートは疲れた様子をしていた……ひどく疲れている……それだのにクリスチンに言われるまで気がつかなかったとは! この時の恥しさをアンはいつまでも忘れられまいと思った。(あたしはギルバートをあんまり当たり前に考えすぎ、ギルバートのほうもそうだといって、ギルバートを責めていたのだわ)

『炉辺荘のアン』モンゴメリ(村岡花子訳)