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読了のことを語る

「私の「漱石」と「龍之介」」著者:内田百閒
既に亡くなった方の思い出を語る、その語りの中にも時間を経て、ご本人の老いもあって、記憶の欠けがそこここにある切なさ
誰かが誰かを語る時に、ふっと立ち上ってくるその人の姿と言うのが、何か一瞬一緒に幻を見ているような気持ちになる
時々差し挟まれる「地震でなくなった」「空襲で焼けてしまった」の言葉や、町や人の描写から、急にこの中にいる人々が遠のくのが何とも言えない気持ち