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読了のことを語る

「日本神判史」清水克行
・残酷に思える湯起請、鉄火起請が室町期に多用された理由を探る。資料の引用は少なめで、読みやすい。データも必要最小限でわかりやすい。
・昔の歴史書には、その当時の歴史感(学問とか宗教とか政治)が反映されていると聞くけれど、それらを覆したはずの半世紀も前ではない歴史学(つい最近まで教科書に載っていたようなもの)も、当時のものの見方に制約や影響を受けているのだというのが、そうかー…と。
・強権を発動は、絶対権力ではなくて、不安定な権力によってなされる場合が多い。また、一見「素朴に神意を求めている」ようでありながら、そこには様々な計算や駆け引きがある。権力者も民衆も同じ人間なんだなぁとも思いました
・作者の熱意以上に探究が「とっても楽しい!」という様子が清々しいです