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読了のことを語る

『悟浄出立』万城目学
・中国の古典や歴史上の有名人の隣にいた、脇役、或いは脇役でもない人々の話ですが、淡々とした言葉でクリアに心情が描かれているので、その心の動きも、その時代も今のことのように感じられます
・「悟浄出立」の揺れる自我、「趙雲西航」の晩年を迎える一人の男の悔悟と孤独、「虞姫寂静」の花であった女性の燃えるような愛と恋情、「法家孤憤」の孤独な巨人と無名の剣を持たない兵士たちの理想(それが潰えることを知っていて読むという歴史ものの醍醐味がねぇ!)、「父司馬遷」継承という重さと、その繋がりの綾
・中編小説で、こんなふうにぐぅっと涙があふれそうになったのは子母沢寛さんと司馬遼太郎さんだったなぁ
・中島敦の「悟浄歎異」というものがベースにあるらしい。それも読みたいなぁ。
・まきめ三国志、まきめ西遊記、まきめ封神演義、熱烈希望!
・一番気に入ったのは「法家孤憤」、次が「父司馬遷」かなぁ