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読了のことを語る

『クリスマスに少女は還る』キャロル・オコンネル
・流れるような展開で、次から次へと新たな人物が現れ語られ、小さな町の中で舞台は点々としつつ行っては戻り。読み手の感じ方かもしれませんが、カットバックではなくて、『スネークアイズ』みたいな長回しのようでした。
・なので、最初のうちは多すぎる登場人物に頭がついていかずに、くたびれちゃったのですが、最初の山を越えたらあとは一気に読めました。人物それぞれがみんな魅力的で、それぞれに何かが与えられる一瞬があって、それもよかったです。
・面白かったです。とてもよかったです。たぶん、寝て目が覚めたら、もっとしみじみよかったと思うはずです。

あと、個人の感想です。ギリギリネタバレ。
推理小説って怪しげな人物が現れて「こいつか?」と思うと消え、また違う人物を「こいつか?」と思うと消え…というのだと思っていたら、こちらは或る会話で犯人はわかってしまいます。で、その後の話的に怪しげな線が消される作業に入るので、この辺りはまどろっこしかったです。
頭のいい会話の意味がよくわからなかったり。何かを言外に匂わせているのを、また言外な匂いでやり込めたりされてもわからない…。
FBIの彼が本当に魅力的で、中盤以降彼に夢中でですね。いいようにされる様子をハラハラ見守りました。若干、本筋から逸脱していたことをお詫びいたします。