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読了のことを語る

「ユダとは誰か―原始キリスト教と『ユダの福音書』の中のユダ」荒井献
・聖書の基本知識がないので、どこで常識を覆されたらいいのかわかりませんが、それでも「ふーむ、なるほど」と思います。
・各福音書が著された時代背景、教会、著者の立場によって変化するユダ像というのが読みどころの一つなのですが、amazonさんにある「原始キリスト教のどのような思想的・政治的ダイナミックスが隠されているのだろうか。 」のような煽るかんじはなくて、丁寧で冷静なかんじです。
・新たに公開された「ユダの福音書」の内容と、その性質についても書いてあります。
・素人考えですが、四福音書におけるユダ像の違い・変化と、「ユダの福音書」は別の著作にしたほうがよかったのでは。
・ずっと以前に読んだ「イエスとその時代」がとても面白かったのですが、同じ著者さんでした。
・高校生の頃、グノーシス主義を「かっこいい〜!」と思ったのに、今教義を読んでも「そういう解釈ねぇ」としか…。あの頃はまらなくてよかったと思う反面、夢もロマンもない大人になったなぁと一抹の寂しさを感じました。