涙を流していたのは誰なのか。人形なのか、それとも人形遣いの吉田栄三なのか、それとも両方なのかは私にはわからない。涙は一瞬だけ光ってすぐに消えただろう。ほおっておいても、誰もいない部屋の中で、誰も見ていないときに人形が涙を流すことなどそれほど珍しくはないのかもしれないが、それでも舞台の上で、観客が見ている前で、人形遣いの技によってこのようなことが起こるなどということには、暗黒の中で年老いた中性子星が爆発して消えるのを目撃してしまうような恐怖があるのではないか。ほんのかすかに見えた人形の涙は、一瞬、舞台全体を白熱化し、瞬時にして元の暗闇に戻すくらいの力があったはずである。気難しくて激しい、度胸もあった武智鉄二をあっと言わせたくらいなのだから、それは間違いない。だから私もまたこんな人形の涙、こんな恐怖を目の当たりにしてみたいと思うのだ。
素人は入門などしない
鈴木 創士
http://wwwsv1.ntj.jac.go.jp/bunraku/diary/25/diary45.html
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こういうカッコいい文章が書けるひとになりたい><(でもわたしはわたしだから、きっとあるに違いない、べつのカッコよさを目指す!)
あと、コッチは引用しないでおく
いまちょうど、ヴァン・ゴッホよんでるのだ
第45回 アルトーのスリッパについて 1
http://www.gendaishicho.co.jp/news/n7347.html