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読了のことを語る

酒井健『ゴシックとは何か 大聖堂の精神史』ちくま学芸文庫

バタイユ研究者として著名なかたのゴシック精神史論
拙作「歓びの野は死の色す」で上手に語りそこねているかもしれないあたりを緻密に、熱く講義してもらった感じ
想い入れというのは素敵だ
ていうかこれ逆に、だからこそ、プロテスタントやカルヴィニスはどう読むのかなあ、というのも気になる
それからシャステルの名前があったいっぽう、本来ならここにあってしかるべきユルギス・バルトルシャイティスの名がないことも不満ではあったりするのだが・・・
個人的に、今までどうしても掴みにくかったヴィオレ・ル・デュクの人物像が明瞭になったのは嬉しかった
ところどころ疑問におもうところもないではないのだけれども、そういう部分も含めてとても面白い本だった