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勝手に引用のことを語る

講座だより...vol. 49(2012.12.11)

小説家(ライター)になろう講座
11月講師・花村萬月氏
「本気で小説に命を賭けるんだったら、ちょっと危ないところにも踏み出してみましょうよ」

「簡単に言えることをなんで複雑化するんですか、それはバカの特性ですよ。わかりますか、単純なことをもつれさせてしまうのは頭が悪い証拠。これをまず自覚してください。厳しいことを言いますけど、プロになるためにはこういう文章を書いてたら絶対ダメです。なぜこうなっちゃうかというと、言葉が肉体感を持っていないんですね。小説とは基本的に日常用いる言葉で書かれた散文です。いまさらですが、言文一致について、とことん考え抜いてください。」
「意外さを狙ったのなら、外しました。どうして外れちゃうのかというと、無駄な言葉、抽象的すぎる言葉が多いからです。だから技術的な問題としては、語彙を減らす努力が必要です。俺みたいなバカにも分かるように書かなくちゃ。
でも、それ以前に、小説という散文の言語をまだ獲得してないんですよ。これは基本的に持って生まれたものが大きいのです。努力とか関係ないんです。」
「辞書もね、俺はデビューしてから5、6年は、中学生の辞書を使って、その辞書にある言葉だけで作品をつくりあげるようにしていましたよ。広辞苑とかじゃなくて、中学生向けの辞書ですよ。だからこそ身についたものがたくさんある。
(小折さん「辞書は使ってないです」)
それじゃダメですよ。言葉をちゃんと確認しないからこうなる。あと、基準は自分でつくりだすこと。とりわけエンタテインメントの小説を目指すなら、漠然と、曖昧に書くことは最悪です。」
「シンプルな言葉でも、その組み合わせと作者の個性で無数に書きようがあります。」
「でも、もし本気で小説という創作に命を賭けるんだったら、ちょっと危ないところにも踏み出してみましょうよ。というのが俺のメッセージです。安全圏からでは、やっぱりしょんぼりしたものになっちゃいますよ。現実の恋愛なんか、面倒臭い。二次元のほうが好き。気持ちはわかりますが、これは単なる読者の態度です。」
http://www.sakuranbo.co.jp/special/narou/049.html
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花村さん、いっときコバルトの短編公募の選考委員(選評)をなさってて(いまはしてないよね?してたらよまなきゃだわ)、わたし、あれがすごく好きで(当時は少女小説でデビューしたかった)、図書館で毎号とは言わないけどまとめてガーってそこだけ読んだりしてた