id:florentine
読了のことを語る

マゾッホとサド
ジル・ドゥルーズ 蓮實重彦訳
マゾヒズムはサディズムの裏返しではない。文学史上でも精神分析学でも、不当に歪められきた19世紀オーストリアの作家マゾッホの世界。神話学から、記号学、文化人類学、臨床医学におよぶ今日の広範な知の達成を駆使して、その独創性とすぐれた現代性をあかす。フランス思想の巨星が驚くべき緻密な論理で甦らせたマゾッホ復権の名著。
http://www.shobunsha.co.jp/?p=1080
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
んー
ドゥルーズとわたし、相性悪いのかなあ?(例のあんちおいでぃぷすがわたし面白くなくてさあ、ひとさまにいわせるとあれとさいしょにであったのがマズイらしいのだがこの二冊目も合わなかったのかなあ?) 解説にも「希薄な言葉」ってかいてあるけど、わたしには薄味でした、ゴメン濃いほうが好き(フーコーの後に読んだのが余計イカンのだろうがでも、んー、わたし現代思想ってやつが、ていうかそもそも思想とか哲学がほんとのところチョー苦手なんだな、そういうはなしはあるな、うん)
とはいえ「現代性」という点はなんかわかる気がした
そして、そういう難しい話はおいて、この本ものすごく収穫で!!!
なんですかこの付録は! マゾッホの妻ワンダの手記「ルードヴィッヒ二世との経緯」に興奮しまくりですよ☆ ネット探ったらどうもウソっぽいみたいなこと書いてありましたが、マゾッホの元へ王様がアナトールと名乗りこっそり秘密のお手紙をよこしって……ちょー燃える!
妻ワンダのこのはなし、つまり『わが生涯の告白』のほうがマゾッホの小説より面白いんですが、困ったことに。
マゾッホの生涯をこうして明かしてもらい、わたしが真っ先に何を想ったかというと、なんのかんのと「充足」してるよなあと、つまりお相手と「契約」できているわけで大学教授で妻子もちで小説も売れたし、ちょーリア充なんじゃないかと
それってやっぱり小説かくのに向いてないよね~って思うの(オチがそこってって感じですがでもよくわかったよ)