「視線を放てば、雑然とした無秩序が目に映る、木の葉、枝々、眩しい斑点、濃い茂み、透きま、数知れぬ押し合うもの、傾くもの、隔たるもの、円みをつくるもの、あとは知らない、それらを取り巻く穴だらけの空間は襲いかかっては逃げていった…」
「僕には物語ることができない…なぜなら僕は事後に話をしているから。(…)一切のことは同列にあった、あの時間、生起した一切は一種の共鳴であり、無数の音響だった。だが、いま事後にあってはもっとも重要なのは矢であったと僕には知れている、(…)事後ではなしに物語ることは出来ないものか?」
「あるつぶやきが生まれる瞬間、そのままにそれを伝えることはだれに出来ないのではないか、混沌から生まれたわれわれは、描こうとする対象と結びつくことが出来ず、それを目にした途端に、われわれの視線のもとで秩序が…そして形が生まれてしまうのではないだろうか(…)。」(コスモス)
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TLから
ゴンブローヴィッチの『コスモス』の引用だそうです
ここでも何回か紹介したかな?
ノーベル文学賞の前哨戦とかいわれてる、三島がとれなかったある国際的文学賞をかっさらっていったひとです
破れてしまったことは口惜しいですが(わたしはゴンブローヴィッチ大好きだけどやっぱり三島すきーなので)、三島はちゃんと読んでた 相手を凄いとおもってた、そういうのもなんか嬉しいなあ、とかね?
ともかう、わたしは、こういうことをかんがえてる、かいてくれる小説家がとても好きです
勝手に引用のことを語る