『未闘病記 膠原病、「混合性結合組織病」の』笙野頼子
病名の確定によって、これまでの生き難さはずっと自分の不器用のせいだと思っていたらむしろ身体的な不具合による部分が大だったとわかり、適切な投薬と治療によって確定前より「なんでも/できる」ようになる、その複雑な思い。って、わかる人多いと思う。膠原病に限らず。もちろん生き難さがすべて消えるわけではない(確定前の年月と体験が消えるわけではないから)、ということも含めて。
著者はその作品内で「私」を書きつけ続けてきた人なので、確定前の、病みぐあい、みたいなものも過去の作品に書きつけられてる。わたしはこの人の、より私小説なものをほとんど読んでないのだけど、そうでない「だいにっほん」シリーズの、火星人少女が着せられる地球人スーツ、も、この人の実体験によるものが大きかったのか、と、読んでて始めてわかった。
途中でふっと黄金のジプシーが初めてガイドをつけたときのテープ、が頭に浮かんだ。