【第88回アカデミー賞】
作品賞:「スポットライト 世紀のスクープ」
監督賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「レヴェナント:蘇えりし者」
主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ「レヴェナント:蘇えりし者」
主演女優賞:ブリー・ラーソン「ルーム」
助演男優賞:マーク・ライランス「ブリッジ・オブ・スパイ」
助演女優賞:アリシア・ヴィキャンデル「リリーのすべて」
脚本賞:ジョシュ・シンガー、トム・マッカーシー「スポットライト 世紀のスクープ」
脚色賞:チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
撮影賞:エマニュエル・ルベツキ「レヴェナント:蘇えりし者」
作曲賞:エンニオ・モリコーネ「ヘイトフル・エイト」
外国語映画賞:「サウルの息子」(ハンガリー)
長編アニメーション賞:「インサイド・ヘッド」
今回、最多6部門を受賞したのは、ノミネート発表時にもずいぶん話題となった「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。美術賞、音響編集賞など技術系部門のみでの受賞でしたが、中でもメイク・ヘアスタイリング賞の受賞に対し “登場人物の8割が坊主頭なのに、ヘアスタイリングて!” と、ネット上も騒然。やはり話題になる映画です。
3部門受賞したのが「レヴェナント:蘇えりし者」。イニャリトゥ監督による2年連続の監督賞受賞は65年ぶり、撮影監督エマニュエル・ルベツキによる3年連続受賞は史上初の快挙、というのもたいがいすごいですが、今回はなんといっても、レオドナルド・ディカプリオが! 5度目の正直でついに、ついに! 主演男優賞を!! …これに尽きるのではないでしょうか。どれほど多くの映画ファンが、この結果に感慨深い思いをしたことかと(もちろん私も)。ちなみに、ディカプリオ以外の俳優部門受賞者3人は、みんな初ノミネートで初受賞です。それもすごい。
そして、作品賞を受賞した「スポットライト 世紀のスクープ」は2部門での受賞となりました。作品賞受賞作が2部門のみの受賞にとどまったのは比較的レアケースかもしれません。しかし、作品賞と、もうひとつ受賞したのが脚本賞。たとえ受賞部門数は少なくとも、作品の基礎となる脚本が評価されたとなれば、やはり見るのが楽しみです。
ほかにも、日本においては「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽が特によく知られている大ベテランの作曲家エンニオ・モリコーネが6度目のノミネートにして初受賞、ホロコーストを描いたハンガリー映画「サウルの息子」の外国語映画賞受賞などがありました。
ここからあとは蛇足ですが。
今朝、ハイクに予想を書きまして。作品・監督・主演男優・撮影賞の予想をしまして、見事、作品賞予想をはずしております。作品賞以外の3部門の予想が当たったといっても、あれだけ確実視されていたら予想もなにも、という感じですし、今朝は書き忘れたものの外国語映画賞は「サウルの息子」だという予想を以前したのですが、こちらも、同部門ノミネート作品の中でずば抜けて最有力とみなされていたため、予想が当たったところで当たった感はそんなにありません。というか、作品賞が予想外だったことこそがいちばんの驚きです。ただ、ひとつ付け加えるなら。作品賞はもう「レヴェナント:蘇えりし者」でまず間違いない、と思いながらも、もし万が一ほかの作品が受賞するとしたらばそれは「スポットライト 世紀のスクープ」ではないか…… と思ったことはあるんです、思ったことは (負けず嫌いか)。
というわけで今回は、ディカプリオの悲願達成や史上初の快挙など、特別に印象深いこともありまして、結果を追うだけでも非常に楽しい年となりました。