『明治断頭台』山田風太郎
明治の最初期、ごく短期間だけ復活した弾正台(律令体制時代の警察機構)を舞台にした本格ミステリ短編連作。
ギロチンが出てきたり、洋行体験のある主人公の片方(明治期に水干・烏帽子姿!)を追っかけてやってきた金髪碧眼フランス美女が祝詞を唱えて霊媒師やったりと、実写化、いやもういっそアニメにしちまえといわんばかりの派手な設定で、しかし中身はほんとに本格の機械トリック中心ミステリー。そして連作らしく、最後の最後に、なんとも著者らしい大どんでん返しあり。この最終話が山田風太郎の山田風太郎たるところだと思う。マジで。
誰でも知ってるような歴史上の実在の人物もばんばん出てくるんで、幕末・明治あたりに興味ある人はそっちでもすごい楽しめると思われますです。
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