id:dadako
読了のことを語る

『燃えつきた人間』グレアム・グリーン(著) 田中西二郎(訳) 早川書房

・原題はA Burnt-out case。症状が出尽くし失いうるものをすべて失った状態となってから完治する症例。この小説では、その肉体的典型のただなかに身を置いた精神的典型者の回復を追う、……というまとめかたでは、あまりに無残な気もする。
・成功し称賛された過去は、簡単にスティグマになる。物語化の罪なる面。
・グリーンの描く女性には限界があるよなあやっぱり。この小説では特に目立つかも。クリスティも時々こういう女性を描くが。無邪気の恐ろしさ。
・信仰、半信仰、無信仰。わたしはトマ神父やライケルにはなりたくない。まだ自覚あるステープルトンのほうがましだ。