『グレアム・グリーン全集25 ヒューマン・ファクター』 第二次大戦時、諜報機関に勤めていたグリーンの直接の上司がキム・フィルビーだったそうで、彼をモデルにしているのでは、と言われているスパイ小説。 見事なタヌキとキツネのばかしあい、誰がプレイヤーで誰が駒なのか、情報戦と言う名の派手さのまったくない孤独なゲーム。 イデオロギーとは無関係の裏切り。個人にとっての故郷とは、土地か、繋がりか、それは選びとれるものであるはずなのに。 グリーンにはずれなし。