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読了のことを語る

『父 パードレ・パドローネ ある羊飼いの教育』 ガヴィーノ・レッダ(著) 竹山博英(訳) 朝日選書
以前ぱさんてさんに紹介いただいた、サルデーニャ島の生活について触れられてる本。著者の自伝・独立編、というところだろうか。
おもしろかった、と同時に、しんどくもあった。タイトルからもわかるとおり家夫長を自認する父親と、長男である著者との相克を書いたものなので。もしかしたらフラッシュバック起こす人もいるんじゃないかと思われるほどの「教育」が描かれている。
後に弟が起こした「反乱」とそれへの著者の反応を考えると、長男がいかにたわめられて育てあげられるものかがよくわかる。そしてその影響から抜け出ることは、本人が理解していてさえも、難しいことなのだろう。著者の後の生活を知り、なんだか哀しくなった。
そのうち、これを原作としたという映画のほうも見たい。