“Rosa Parks: My Story” by Rosa Parks with Jim Haskins (Puffin Books)
アメリカの公民権運動を拡大化させたバスボイコット、そのきっかけとなった女性運動家の自伝。
キング牧師やマルコムXなどへの言及もあり、おもしろかったし、公民権運動の大きな流れがつかめてよかったんだけど、同時に、
非暴力での運動を貫こうとするとき、シンボルとなる被害者の弱々しさ(女性であること)、「それ(この場合黒人であること)」以外では一点の傷もないクリーンさの求められ方、というのが、加害者側だけでなくサポートする側からも強く求められるという現実に、なんかたまらん気分になった。
勝つための戦略だからと言われればそれまでだ、しかし無念。
ローザ・パークス本人がそのことを理解してるだろうことは、当時は女性の権利は後回しだったことに言及してることからもわかるんだが。有名なI have a dreamの演説、あれがなされた大会の壇上にもスピーカーにも女性は一人もいなかったことに、彼女はきちんと触れている。
自分はシンボルであることにも。その後30年の運動よりもあの一事のシンボルとしての自分に着目され、それが続くだろうことにも。
命を奪われても暴力によっての反抗はしない覚悟でしかし権利を主張し続けること、そういう運動についての本。
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