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読了のことを語る

『アシェンデン』 サマセット・モーム(著) 河野一郎(訳) ちくま文庫
非凡な作家の、スパイとしての平凡な日常とは。しかし英国のスパイ任用の基準みたいなものはおもしろいなあ。
モームは一面的な人間を描かないね。すごいステロタイプに描き始め、そこから少しずつ個人を削り出してくる。あらすじだけ言えばステロタイプなよくある話になってしまうけれど、読むとと登場人物それぞれを確固とした個人として感じる。
一部を映画化したヒッチコック『間諜最後の日』も見たい。