『夢の丘』アーサー・マッケン(著) 平井呈一(訳) 創元推理文庫 田舎の少々はっきりものをいう牧師の息子として生まれ、孤独もあって幻視者としての素質を育て、文学に身を投じた青年の心理小説。 気づくと彼の幻視に取り込まれ、現実と幻の境のない世界を、手を引かれ見せつけられる、その恐ろしさ。まして文学を志す者には恐怖そのものではないかと想像する。 最後が、途中でわかった。それまでも、追体験させられた。 「読んだら狂気に陥る本」の一つに入れていいと思う。