『葉蘭を窓辺に飾れ』ジョージ・オーウェル
1930年代不況のまっただなか、学がある故に金を軽蔑し、結果、誰よりも金にとらわれ金を憎み、金にとりつかれる主人公(『金持ち父さん貧乏父さん』の貧乏父さん典型の家庭で育っている)。
途中で典型的アルコール中毒者的発想が出てくるのだけれども、そこで気づいた。金に中毒する、ということもあるのだなあと。彼の金に対するものいいは中毒患者のそれだと思う。
正直に言う。主人公の二度目の下宿住まいのような、自分のようなものに見合うそれになるようにと一切を切り捨て、諦念すらも浮かばないあの生活を、うらやましい、ああいう生活をしたいと感じている自分がいる。
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