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どういう流れ・土台の元に「女性がつくり楽しむ男性同士の性愛物語」というジャンルが生まれたのか、またこれからどのように展開する可能性があるのか、を、『JUNE』という雑誌を中心にすえ、まとめたもの。「70年代サブカルチャーの総花としての「耽美」」「戦後日本における〈教養〉の申し子」ってのはなかなかおもしろいところ。
最後に故・石原郁子の映画評論家としての仕事に対して「女性がつくり楽しむ男性同士の性愛物語」が与えたものを検討し、「展開の可能性」について呈示している。
巻末にけっこうな分量で、竹宮惠子、増山法恵、佐川俊彦それぞれへのインタビューあり(本文で引用元として扱われている)。この面子であれば当然中島梓へのインタビューもほしかったが、時期的に難しかったのかもなあ。
読みやすいので、入門者参考資料的におすすめ。
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