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ある共同体の文化水準・教育水準を示す指標の一つとしての読み書き能力・識字能力・識字率(非識字率)について、江戸初期から命じにかけての変化を追ったもの。
特に町民と農民(庄屋~小農)、またそれぞれの階級に属する女性という、あまり記録が残っていない層について注目している。
三種の文字を使う日本で「文字が読める」とはどのようなレベルを言うのか、という問いかけや、身分に応じて「読み書き能力」を有意にわけることによって、農村内ですらエリート層と非エリート層という格差ができていること、
地理・地域・身分・経済発展との関係による識字率の差について、就学率と識字率の関係についてなど、なんとなくうっすらと感じ取ってたことをきちんと数値を上げ文字にしてくれた感があり。
読み書き能力とその教育は、格差をなくすことと格差を作ることの両方に関わる問題としてとらえることが重要。
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