id:spectre_55 は
自分(id:spectre_55)のことを語る

【長くて重い?よ】
 
国際養子縁組、といえばさー。
 
数年前、蒸し暑い初夏の平日に、
「アメリカから韓国へ渡る途中、トランジットで1日だけ東京に滞在するFtMゲイ
(女に産まれたけど自己認識は男or男としての生活を望んでる人で、なおかつ男好き)
の人が、折角なので東京のクイアな人たちと会って話してみたいと言っている」 
って話が、どういう経緯か俺のところに回ってきて、
ほとんどノンケ女としてしか生活してない俺ごときでも役に立つのかなーとは思いつつ、
丁度仕事も暇だったし、枯れ木もナントヤラだと思ってお会いしたんだが。
 
短パン履いた背の低い山田五郎、という感じの、親しみやすい風貌のそのアジア系の青年(アラサー?)は、
白人養父母に引き取られ、物心もつかない頃に海を渡った韓国系の人で、
韓国へ渡航する理由も、記憶も記録もほとんどない自分のルーツに少しでも触れたい、ってものだったのね。
 
「本国」アメリカではグラフィック・アーティストをしているという彼は、
いくつか自分の作品を見せてくれたんだけど、
ピンクのベビー服の胸に何かの番号札をつけた乳児を描いたシルクスクリーンが今でも記憶に残ってる。
あどけない顔でこちらを見てる子供は彼自身の過去の姿で、
胸の番号札は養子縁組した時に手続き上つけられたもんでさ、ほぼその絵のままの写真が実際にあったみたいなんだけど、
俺が思わず拙い英語で、
「名前じゃなくて番号しか書いてないんだね…」
みたいなこと言ったら、彼は無言で頷いていたよ。
 
彼はその後、他に来てた人たちと夜の二丁目を楽しんでから、韓国へ旅立ったらしい。 
翌日仕事だった俺は飯食っただけで帰っちゃったんだけど。
 
しかし、白人に育てられたアジア系養「(元)女」で、FtMで、しかもノンケでなくゲイって、
世の中にはなんとも複雑なアイデンティティの人がいるもんだ、と思いましたことよ。
本人はにこやかで無邪気な、なんか憎めないあんちゃんだったんだけどね。
元気にしてるかなあ。
俺ときたら、もう彼の名前も忘れてしまったけれど。