id:spectre_55 は
自分(id:spectre_55)のことを語る

【何かを受信】

前にWeb上の某所で、とても頭のいいゲイの人といろいろ話をしてた時に、
「僕らはみんな『難民』になるべきだ」
という事をその人が言っていた。

それは(多分)、自分の依って立つところ、アイデンティティのあり方を疑えとか、
アイデンティティを解体して、「寄る辺なき者」になろうっていう意味で、
その根底には、
自分のアイデンティティを強固にしたいが為に他者を犠牲にする事への、
懐疑なり批判なり非難なり、そういう思いが込められていたんだと思う。

で、俺は、彼のその発想には何かしら共感を覚える一方で、
そのことを「『難民』になろう」と表現することには強い抵抗を覚えざるを得なかった。

何でかって言うと、イビチャ・オシムの事を思い出したから。

俺の年収は、あの爺ちゃんの何十分の一程度でしかないし、
あの爺ちゃんが手にしている程の名誉も地位もキャリアも、
俺の手にはない、あるはずがないのだけれど、

でも俺は、
かつての自分の同僚や教え子、隣人同士が、民族が違うからという、
ただそれだけの理由で殺し合いをし始めるなんてことも、
生まれ育った国に戻れなくなって、離れ離れになった肉親の安否も、
よく聞き取れない無線でしか確認できなくなる、なんてことも、
経験せずに済んでいるから。

そんな俺が『難民』だなんて、おこがましいにも程があるとしか思えない。
未だに。